やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その61  「‥ヒグラシの鳴く頃」

 

   「‥ヒグラシの鳴く頃」

 

   都会の街路樹や公園などで 鳴くセミには 暑さを 後押しするかのような 

   そんな 響きがあります

   特に 「ジィジィ」と  甲高く鳴く アブラゼミは その筆頭でしょうか

   夜遅くや 朝早くから 庭木で 鳴かれると 熱帯夜で寝不足状態の心身に

   追い打ちをかけられているような 気がしてならず

   つい 恨み言も言ってみたくなるのです

 

   育った村は ほとんどといっていいほど 杉林が占めており そこで

   鳴くセミといえば ヒグラシでした

   暑い陽射しの後 訪れる夕立 上がれば 幾分涼しくなった 山風に添って

   規則正しく 強弱つけて 響いてくる 「カナ カナ カナ」という 鳴き声

   地域では カナゼミと 呼んでいました

   夏が 終わりに近づくと 鳴き声も 小さくなっていき 止む頃の朝夕には 

   そこかしこに 秋の光景が 見られるようになります

 

   やすらぎ霊園の周りには 広葉樹林に交って 点々と杉林が存在しており

   夕刻 陽が沈む頃になると 「 カナ カナ カナ 」の合唱が はじまります

           「ヒグラシ」という 和名は 「日を暮れさせるもの」から きているとか

   朝夕 聞こえる 美しい声は 古くから 日本人に 親しまれてきました

   風に乗って 届けられる 鳴き声には 侘しさや 寂しさなどを

   想い起こさせてくれる そんな響きがあるような   気がします 

   

    「仰のけに 落ちて鳴きけり 秋のせみ」

    小林一茶が 詠んだ歌ですが 秋と せみの命の はかなさに 

    物悲しさを感じさせます 

    おそらく このせみは ヒグラシ では ないでしょうか

 

   

                                                                                   ヒグラシ ひぐらし 比久良之 比具良之 日晩 日晩之 日倉足 夕暮れ せみ セミ 蝉 カナカナ カナカナゼミ 夏 立秋 節気 季節 節季 二十四節気 寒蝉鳴 ひぐらしなく                 

 

 

           【ヒグラシが告げる やすらぎ霊園の夕暮れ】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain「故郷の 荒れたる田畑 蝉時雨」

 

 

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 霊園便り 「‥お盆が来ます」

 

  「・・お盆が来ます」

 

     子どもの頃 迎えたお盆 

        年を重ねて 迎えるお盆

  60年ほどの わずかの間でも 親しんできた風習は 少しづつ 変わってきました

  抱いてきた 想いも同じ 

  

  今いる ここが全て と 信じていた子供時代 「死」は 縁のない はなし

  近所や親せきで 知っていた人が 亡くなっても 遠い世界のこと

  それが 少しずつ 身近で 年の近い人々が 彼岸を渡っていくと

  いつの間にか この世と あの世の距離が すごく 近くなっていくような 

  そんな気がします

  

  梅雨が過ぎ 夏の青空が広がり この季節の風物詩 黄色トンボが飛び交い 

  百日紅の花が 開く頃に なると‥ 

  お盆がやってきます

  

  お盆は 一般的には 「年に一度 祖先の霊が私たちの元に帰ってくるとき」

  として お墓参りに行き 仏壇を飾り 迎え火や送り火を焚く などの風習が 

  日本各地で 静かに 時を経て 繋がれています 

  やすらぎ霊園でも お盆に合わせて 「納骨堂」や「永代供養墓」

  そして「樹木墓」において お寺さまにご供養をお願いしています

 

  ご家族がそろう この機会 お墓や供養についても 考えてみませんか

  お墓にお参りすることは 亡くした家族を偲び 生きていることを 先祖に感謝し

  善い行いを約束する そして 私のこれまでとこれからを 静かに思ってみる

  そんな ささやかなことを 家族みんなで 共有する 

  お墓参りには とても大切な意味があるのだと思います‥

 

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   2019「お盆フェア」開催‥ 8/10(土)~15(木)

   やすらぎ霊園では お盆の時期に合わせて 「お盆フェア」を開催いたします。

  さまざまな企画を準備して 皆さまのお越しを お待ちしています。

  どうぞ お盆の一日 ご家族おそろいで やすらぎ霊園においでください。

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 1. フェア期間限定の特別販売】 

  ◇花のお墓の特価販売

    建立済の花のお墓をフェア特別価格でご提供いたします。

   ◇和型のお墓の特価販売

    建立済の和型のお墓を感謝価格でご提供いたします。

   ◇洋型のお墓の特価販売

      未建立の洋型のお墓を特別価格でご提供いたします。

   ◇ 未建立区画特典

        未建立区画(一部を除く)に、いくつもの特典を準備しました。

              ※詳細はスタッフにお尋ねください。 

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  2.お寺様による合同供養 

       ◇ 日    時 :  8月12日(月)14:00~  浄雲寺さまによる合同供養

       ◇ 場    所 :  樹木墓/納骨堂/永代供養墓前

        ◇その他 :   時間は前後することがありますので、ご了承ください。

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   3.プレゼント

     ◇ アンケートにご協力いただいた方に「粗品(ムッキ-ちゃん)」プレゼント

        ◇ お申込みいただいた方に「カタログギフト」プレゼント 

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   4.供花の特価販売

        ◇ 10日(土)から15日(木)の間、供花を特価で販売します

        ※ 数に限りがありますので、売り切れの場合はご容赦ください

 

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   5.線香・ローソク等のサ-ビス

               ◇管理事務所に線香やローソク、マッチ等を準備しています。  

       ※お気軽にお寄りください。

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           【上空からの 夏の 樹木墓 の光景】

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          【同じく 上空から見た 規格墓 の光景】

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回顧録 no.60 「‥夢の風景  ~何も言えなくて 夏 3/3」

 

 「~何も言えなくて 夏 3/3」

  

 入口から見えない席で グラスは 空いており

 赤くした まなざしが 心の中まで 見透かしているかのように

 

 「ひさしぶりね‥ この前はありがとう‥」

 出てくる言葉を 探しきれない

 

 「コ-クハイを‥」

 少しの沈黙のあと そのひとは 視点を 前のグラスに向けながら

 「わたし‥」

 そこで言葉が切れ 僕を 待っている

 

 「すみません‥」

  黙って 飲み続ける 

 それは まるで あの晩 先輩と話した夜の コピ-のように 

 同じような空気が漂い 時折 ため息まじりの 声が 忍び寄り 苛立たせた

 ‥いったい 何をやっているのだろう 

 情けないほどに 自分が情けなく   立ち上がるしか 術がない 

 

 「これから 忙しくなるので‥‥ もう逢えないと 思います」 

 それだけ 絞り出すと 店を飛び出した

 裏通りから 近道をして 小学校正門前から 小さな池に続く 小道へ足を運ぶ

 一瞬 牛蛙の鳴き声が止み 通り過ぎた僕の背中に 大声で 笑いかかってくる

 

 それから 先輩は そのひとのことに ふれることはなく 僕も 言わなかった

 そして 翌年の春 先輩に 転勤の辞令が下りた

 

 桜の花がほころび始めた その朝 電車の駅で 見送った

 寮生の中から 手招きすると はにかんだような顔をして 何気なく 

 「俺のことは気にせずに 頑張れよ‥」 だけ 言うと 車内に消えた

 先輩は 知っていたのだと その時 知った

 

 それから そのひとと 逢うことは なかった

 気持ちは 揺らいでいた 

 だが 先輩の想いに 勝てる自信はなく

 そのひとの 想いに 応える勇気もなく

 何もない中で 付き合うだけの 強さも 持ち合わせていなかった

 僕は まだ そのひとと 同じ空気を 吸うことのできない 

 子供だったのだ

 その翌年 僕も 違う町へ転勤し 時間とともに 記憶は遠のき

 振り返ることも 思い出すことも なくなっていった‥  

 

 車のラジオから 「何も言えなくて 夏」の曲が 流れたとき 

 過ぎ去った 50年近く前の出来事と そして 先輩が 目の前に 蘇っていた

 定年まで勤め上げて 数年前の秋 彼岸へ渡っていった 先輩

 あのとき 「頑張れよ」と言ってくれたのに 僕は 逃げた

 いま‥

 何と 返事しよう と 自問自答しながら 空へ 目をそらす 

 桜の朝の 優しい笑顔が 見えたような そんな気がして 目の前が霞んだ

 

                                 (終り)

  

 

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お盆フェアのお知らせ

 

 
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お盆フェア・‥…━…‥・

         8月10日(土)~15日(火)

        やすらぎ霊園では、お盆フェアを開催いたします。

   ご家族が集まるお盆にぜひ、皆さまお揃いでやすらぎ霊園にお越しください。

    フェア限定の企画をご準備して皆さまのお越しをお待ちしております。

 

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 【 フェア限定特別販売 】 

 ◇花のお墓の特価販売

    建立済の花のお墓をフェア特別価格でご提供いたします。

 ◇和型のお墓の特価販売

    建立済の和型のお墓を感謝価格でご提供いたします。

 ◇洋型のお墓の特価販売

      未建立の洋型のお墓を特別価格でご提供いたします。

 ◇ 未建立区画特典

        未建立区画(一部を除く)に、いくつもの特典を準備しました。

              ※詳細はスタッフにお尋ねください。

 

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【お寺様による合同供養】 

     ・ 日    時 :  8月12日(月)14:00~  浄雲寺住職による合同供養を行います。

     ・ 場    所 :  樹木墓/納骨堂/永代供養墓前にて行います。

      ・その他 :   時間は前後することがありますので、ご了承ください。

 

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 【プレゼント】

   ◇ アンケートにご協力いただいた方に「粗品(ムッキ-ちゃん)」をプレゼント

   ◇ お申込みいただいた方に「カタログギフト」をプレゼント

 

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【供花の特価販売】

  ◇ 10日(土)から15日(木)の間、供花を特価で販売します

     ※ 数に限りがありますので、売り切れの場合はご容赦ください

 

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 【ふるさと納骨墓サービス】 

 大切な方のご遺骨を全国どこからでもお送りいただけます。

 やすらぎ霊園のふるさと納骨墓サービスは、ご両親のご遺骨を手元供養している方、

 ふるさとのお墓の墓終いをお考えの方、霊園まで足を運ぶのが難しい方などのために

 郵送にてご遺骨をお送りいただけるサービスです。

 

  ふるさと大分県で供養してあげたいとお考えの方など、ぜひご検討ください。

      詳しくはお電話またはホームページをご覧ください。

               ▽HP▽

公益財団法人 やすらぎ霊園 オフィシャルサイト | 「ふるさと納骨墓」サービス

 

  

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              【お盆を迎える花のお墓】

 

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                                【上空から見た花のお墓】

 

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霊園風景 その60 「‥やすこさんの物語  3/3」

 

 「‥やすこさんの物語 3/3」

 

  やすらぎ霊園へ向かう  その前に 船から トラックに移らなければなりません

  次々と 運び出されて いく石たち 

  やす君も 箱詰めされたまま 船から降ろされて 大きなトラックに

  積み込まれていきました

  

  やすこさんが心配です

  でも‥ 大丈夫でした 

  あの船員さんが 真っ先に やすこさんを 手に持って 船を降りていました

  「大きな箱たちに 潰されたり 壊されてしまう」 と 思ったのか 

  ここでも やすこさんは 優しい気持ちを持った 船員さんのおかげで 

  無事 トラックに移ることができたのです       

 

   工場を出発して 2週間以上過ぎ ようやく 旅も 終りに 近づいてきました

  トラックは その日の夕刻 大分市に到着

  そして 翌朝 抜けるような 秋の青空の下 小気味良い排気音を立てて

  やすらぎ霊園に入りました

 

  倉庫の前で 待っていたのは 石材店のMさん 有名な堅物の人です

  やすらぎ霊園の注文と 数に間違いないか 壊れていないか など  

  厳しい目で 梱包を解いた 石たちを チェックしていきます

  そして 最後に 古い毛布に 包まれた やすこさんが 目に止まりました

  

  開けるや否や 「なんだこれは? 注文していないぞ!」

  大きな声で 運転手さんを 問い質しました

  でも‥ 何も知らない 運転手さんに 説明できる訳がありません 

  やすこさんも 不安で つい「お願い‥‥」と 叫んでしまい

  その声に 振り向いた やす君は やすこさんが 目の中に入り

  「あっ!」と 大きな声を上げていました

  兄弟は 見つめ合っていますが Mさんには わかるはずもなく 

  運転手さんに 「持って帰れ!」と まで 言い放ちます

 

  そこに

  「何か ありましたか?」

  と 声をかけてきたのが 霊園職員の Nさん

  石材店のMさんが 「ああで‥こうで‥」と 弁解しています

  Nさんは ひとこと

  「うちで 預かりますよ‥」   「え?」

  「兄妹に見えませんか? 一緒にしてあげましょう」 と  

  やす君と やすこさんを並べて やさしく 笑ってくれました  

 

  こうして ふたりは 2011年の晩秋に やすらぎ霊園の 家族となったのです

  たった 2週間程度の旅でしたが 何人もの人たちが 兄妹を助けてくれました

  そして ふたりは その恩は 決して 忘れていません

  これからは ここに来る人たちを 笑顔で迎えることで お返ししていこう と

  決めましたから

  

  月日は流れ やがて 8年になります‥  とても 人気者なのです 

  カエルや トカゲたちがいつも来て 遊んでいますから  

  毎日 変わらない 温かい笑顔で 迎えてくれる 

  ふたりに 「おはよう」を いいます 

  すると‥

  「おはよう」と 応えてくれている ような 気がするのは

  私だけでしょうか?

                                (終り)

 

 

   

      【芝生墓地の前で 迎えてくれる やす君(左)と やすこさん(右)】         

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「 父母の笑み 彼方に見えて 鰯雲 」 

  

 

 

 

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回顧録 no.59 「‥夢の風景 ~何も言えなくて 夏  2/3 」

 

 

「~何も言えなくて 夏   2/3」

 

 それから 何日か開け 職場に電話を入れて 断ったことを 報告した

 電話の向こう 「ありがとう‥」以外は ほとんど耳に入らなかった 

 

 その年の夏 陽炎が立つほどの 暑い日が連続する頃まで

 あのひとから 連絡もなく 喫茶店にも ほとんど行かず 

 平日の仕事と 休日の野球 同じことを 繰り返す 日々

 

 先輩に 断りの話をしたとき ではなく 

 先輩から 紹介して欲しい と 言われたときから

 どこかに 落ち着きようのない 自分がいることが わかっていた

 そして 断ることを 申し訳なく思いながら 一方で ホッとしている 

 自分を 知ったとき そのひとに 対する 想いを 感じていた

 

 一方で 僕は

 あの夜 先輩に断りの話をした時から ずっと さいなまれ続けていた

 それは  必死に話した 先輩の 一途な想い‥  自分の気持ち‥ 

 そして  それらを 看過し 覆い続けていること 

 

 夏も終わろうという頃 また 職場宛に 手紙が届き

 あの 梅雨前のときと 同じ内容だった

  

 お盆を過ぎて 何となく夏が終わるような けだるい月曜の夜

 星もなく 人影もまばらな 町唯一の商店街を 抜けていく

 いつもの喫茶店ではなく そのひとのアパート近くの スナックを

 指定してあった

 

 通りからひとつ入ると 灯りがまばらに並ぶ 

 その一角にあるスナックは 描くイメージとは程遠い 明るい色調で飾られており、

 いかにも 若者受けしそうな 雰囲気を持っていた

 

 「今夜 終わらせよう‥」  

 鈍い決意とは裏腹に 小気味よく 開いた 白いドアは 茶色の漏れる 店内から 

 心地良い 冷たい空気を 運んできた

                                  (続く)

 

 

 

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霊園風景 その59 「‥やすこさんの物語  2/3」

 「‥やすこさんの物語 2/3」

 

  そこから トラックは ひたすら 南をめざして走ります

  やすこさんは 固い体ですから 痛くはありませんが 揺れが激しいと

  壊れることが あるのです

  でも あの 親切な職人さんが 古毛布で すっぽり 包んでくれたので

  ちょっとは 安心でした

 

  そのころ やす君は 他の荷物と一緒に 箱詰めされていました

  こちらは しっかり固定されていますから 壊れることはありませんが 

  息もできないほどに ぎゅうぎゅうで‥ 

  それに あのとき やすこさんに お別れを言えませんでした

  妹は どこに行くのだろうか と それだけが 心残りだったのです

  やす君は 今 やすこさんが 同じトラックの中で 揺られていることを

  知りません‥

  

 

  5時間ほど 走り続けたトラックは やがて アモイという 町に 着きました

  この町の港から 船積みされて 日本国の 九州に向かいます

  港の岸には 貨物船が横付けされ 木枠の箱に収められた 石たちが 

  次々に 船積みされていきます 

  そして 最後に やす君が 貨物船に移りましたが 彼は 疲れて眠っており

        外を見る機会も やすこさんに逢うことも ありませんでした

 

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  一方 契約にない やすこさんは またひとりだけ トラックに 残されています

  「どうなるのだろう‥」

  泣きそうになりましたが でも そのトラックの運転手さんも 親切でした

  何気ない顔をして 船員さんに

  「この子も 一緒なんだ」 と

  やすこさんを 渡してくれたのです‥  忘れていなかったんですね 彼も

  こうして ふたりは 同じ船に乗って 九州に向かいました 

  

    やす君は 海の上を走り続ける間も やすこさんのことを 思っていました

  お父さん お母さんに続いて やすこさんとも もう逢えないと思うと 

  たまらないほどに 寂しくて 悲しかったのです   

  でも‥ 

  その すぐ近くに やすこさんの笑顔を 見ることができます

  やすこさんは ずーっと 毛布の中で ニコニコしていました

  とても 幸せでしたから 

  

     10日間の 海旅を経て  気持ち良く晴れた朝 船は門司港に入り  

  ここから 陸路で 契約先の やすらぎ霊園に 向かいます

  

        ふたりが 再会できるのは もうすぐです?

 

 

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain  「色鳥の 優しき声する 見えねども」 

  

 

 

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