やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その68 「‥師走の頃」

 

「‥師走の頃」

 

     やすらぎ霊園がある地域は 大分市中心部より 2~3度 気温は低いでしょうか

  12月 師走の声を聞きますと ことさら 寒さが 身に凍みてくるようで

 まだ 霜は降りませんが それでも 吐く息は まちがいなく 冬そのものです

 何時の間に 忍び寄ってきたのか 射す光は 日ごとに 柔らかく 弱くなり

 霊園の あちらこちらに 降り注いでいる光も なぜか 冷たそうな

 

 つい この前まで ここには 輝く秋の色が ありました

 今しか見れないような 一瞬の華やかさを 映し出し 誰もが 穏やかな気持ちで

 ひとときのやすらぎを 味わっていましたのに 

 時とともに 赤や黄の衣装から 褐色や茶色に 模様替え

 全ての自然界の光景が 冬に 備えていきます

 

 それでも 一番高い場所にある 樹木墓や 芝生墓を 取り巻く 木々たちは

 頑張ってくれています

 少しでも 長く 美しい 今年の 秋の名残を 見せてあげる

 この美しさは ここに眠る人に 捧げられる 晩秋から初冬へ替わる 幕間なのです 

 晴れ渡った こんな日は 眠りから覚めて 移りゆく景色を 眺めていたい‥

 そう 思わせてくれそうな どこまでも青い空 そして 残る秋の色香

 あの人も 見てくれているでしょうか‥

 

           【朝の青空と 芝生墓の光景】

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 下は 観音様に抱かれた「永代供養墓」 初冬 朝の光景です

 黄色に色づくのは クヌギの葉 点々と赤いのが 紅葉

 澄み切った青空を 列をなして 流れていく 線の雲たち

 静けさと同居する やすらぎ霊園の朝は 身も心も 引き締まり

 自らを 奮い立たせ 姿勢を正し 胸を張ります

 

 誰もが 生き続けたい と 願いながら  いつかは 彼岸へ渡っていきます 

 多くの人たちが 眠る この霊園に立つと

 今 こうして生きている 自分が 何と 幸せなことか 

 あらためて 思い知らされます  

 全てのものに 感謝して 生きていく‥

 やすらぎ霊園 には そんな想いに させてくれる 四季があります

 

 やがて 本格的な 冬の到来

 そして この年の 終わりに 近づいていきます

 皆さまの 今年が 有終の美で飾られますように‥

 

 

 

 

    クヌギの黄色と 点々の紅色に 見守られて 永代供養墓】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「散り紅葉 晴れて笑顔の 観音様」

  

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回顧録 no.68  「‥夢の風景 ~一心行の大桜 」

 「~一心行の大桜

 

 20年近く前になる   その大桜を知ったのは

妻が TV放送か 何かで情報を得たのだろう 「行ってみたい」と 言い出し

思い立って ふたりで訪れた

阿蘇大橋を渡り 南阿蘇村へ入る 左手に阿蘇山を見ながら しばらく走ると

右側に きれいに整備された 段々畑などが 見えてくる

道路脇や 田畑の傍には 染井吉野だろうか

何本もの桜が 満開のときを迎え 大桜に近づいている予感がしてくる

 

「あれじゃない?」 妻の声に 窓を見ると 眼下に 入ってきたのは

遠くからでも はっきりと見える 大きな 白い花の固まり  

近づくほどに その桜木は そびえて せまってくるような 圧倒感を覚える 

幹線道路から先は 舗装されておらず この地の住民だろうか 

実直そうな年配の係員が 慣れない手つきで 駐車場へ 先導してくれている

 

満開だった

樹齢は400年以上 枝葉は 剪定したかのよう ドーム型に広がり 

枝張りは 端から端まで 50Mほどもあるという

淡い白さの山桜が 見事なまでに 枝という枝に 埋め尽くすかの如く 咲き誇る

その根元に 眠るのは 400年以上前 戦いで散った武将と その家来たち

妻や子が 御霊を弔うために 墓を建て 桜苗木を植え 一心に行をおさめたことから

「一心行」の名がついたと いわれている

 

多くの家族やカップルが 桜を背景に カメラに収まっていく

「写そうか?」と言っても 頑なに拒む妻 

やがて散りゆく花たちと 自分が 重なることへの 抵抗か

桜の前では あまりにも小さすぎて 恐れをなしたか 

どちらでもない‥ 

妻は 青空の下 吹き渡る春の風に 乗って 届いてくる 

花の色香を 今 ここで 静かに受け止めていたい

ただ それだけのことだった

 

それから 毎年 開花の便りを聞くと 二人で 大桜に逢いに行った

その後 台風により 主幹が折れて 樹形が少し変わったが それもまた 風情があり  

周辺敷地の整備や 公園化などが進み 開花時期には 多くのお店が出るようになった

さらに 幹の周りには 一面に 菜の花が植えられ 桜と菜の花が 同時に開花する 

その風景は‥  

後ろにそびえる 阿蘇山に見守られて 天の国の 花園のように 光り輝く

 

妻が逝った 翌春 大桜に逢いに行った

待っていたかのように 満開の 美しい白花を 青空の下で披露してくれ

その下には いつもと変わらない 妻が 静かに 笑んで 佇んでいた 

 

       【2016年の春 阿蘇山の麓に咲き渡る 大桜と菜の花】

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霊園だより  「‥お墓の愛称 募集中です」

 


    「‥お墓の「愛称」募集中です」

     ~・新しいお墓の区画が誕生しました・~

 やすらぎ霊園が、お客様のご要望などにお応えして9月から進めていました、新しい

 お墓の区画工事が終了し、11月12日に大分市より「条例に適合している」旨の確認

 通知書をいただきました。

 

    【完成した新しい区画 全体を明るい色調でまとめました】           

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  この新しい区画は、

     ① 1.25㎡のコンパクトな区画

  ② 少人数のご家族にピッタリ

  ③ 自由に選べるデザインと色

  ④ 安心の価格帯と美しい環境

 など、多くのお客様にご満足いただける特徴を持っています。

 いつでも見学できますので、ご都合のいい日に、ご家族おそろいでお越しください。

 担当者がご案内いたします。事前予約は不要です。

 

 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

「新しい区画」のネーミングを募集しています!

 今、この新しい区画にふさわしい愛称を募集しています。

 あなたの自由な発想で、お客様に愛されて親しみのある名前をお考えください。

 採用された方には 選べるご当地グルメ(1万円分)」を進呈いたします。

  ≪応募期間≫

     2019年12月31日(火)到着分(ハガキは12/31消印)まで

 

  ≪応募要領≫

   ① 愛称は、ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字などを

     自由にお使いください。組み合わせも自由です。

   ② おひとり、何点でもご応募いただけます。

   ③ やすらぎ霊園関係者などの応募も歓迎します。

   ④ 来年1月に選考し、採用された方のみ、ご連絡いたします。

 

  ≪応募方法≫

   ① やすらぎ霊園ホームページから

      トップページのお問い合わせフォームから、応募ください。 

   ② ハガキから(ネーミング案・お名前・住所・☎を記入)

                   〒879-7501 大分市大字竹中字上長谷613-1              

              やすらぎ霊園「新区画ネーミング応募係」宛 

   ③ FAXから(ネーミング案・お名前・住所・☎を記入) 

         FAX:097(598)0101

              やすらぎ霊園「新区画ネーミング応募係」宛

 

  ≪留意事項≫

   ① 選考や審査等に関するお問い合わせには回答しません。 

   ② 応募作品には修正等を加える場合があります。

   ③ 採用作品の著作権、商標権等その他一切の権利はやすらぎ霊園に帰属します。

   ④ 採用決定後でも、虚偽記載や権利侵害等の事実が判明した場合は、決定を取消  

     し、賞品の返還を求める場合があります。

   ⑤ ご記入いただいた個人情報は、お問い合わせへの対応及び確認のためのみに使

                用します。また、この目的のために記録を残すことがあります。

   

         皆さまからの ご応募お待ちしています!

          ‥・締め切りは12月31日(火)です・‥

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             ▼詳しくはこちらから▼ 

        http://www.yasuragi-reien.jp/2019_naming.pdf

 

 

 

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霊園風景 その67 「‥走り去る 秋色」

「‥走り去る 秋色」

 

 優しい桃色と暖の春  抜けるような青と空の夏 

 一瞬の輝きを放つ赤黄の秋  静寂さと白の冬‥

 

 そうした かつての四季の 美しい風景は 薄らいでいき  

 長くなる暑い日々 大雨や台風 そして 地震など 

 私たちが 生きてきた この地の環境は 少しづつ 変わっています

   

 今年もあと1か月と少しですが 穏やかな日々ばかり では ありませんでした 

 夏前から暑くなり 大雨が襲い 台風が相次ぎ 各地で 多くの被害がありました

 そんなことで 明け暮れているうちに 目の前には 秋が来ていたのです

 「エッ」と あわてて気がついたとたん

 天気予報では 「内陸部では霜にご注意を!」と 呼びかけています

 まだ 秋の色も見つかってもいないのに です

 秋を迎える準備もできずに あわてているのは 私だけでしょうか

 夏服から 冬服に 替える タイミングさえ わからないのですから‥  

 

 霊園に続く 葬斎場前の真っ直ぐな ケヤキの並木道も 葉の色が冴えません

 色づかないままに 散っていき 道路脇に落ちた葉は 茶色にくすんでいます

 花が咲くのと同じように 木々の葉も 赤黄に染まってこその 落葉樹なのですが

 かわいそうでなりません

 

 それでも 霊園入り口や 樹木墓にある 紅葉は いつもと同じように 

 赤や黄色に 染まってくれています  

 ただ 毎年華やいで見える 光景が 今年は まるで 何かに 追われている

 かのように 速く速く と 過ぎていき

 ボヤボヤしていると 見過ごしてしまいそう‥

 

                                 【今年の霊園入口 秋の色】

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 冬が そこで待ちながら それでも 待ちきれずに 急ぎたて始めると

 秋の光は 一瞬で陰り 重い鉛色の季節が 霊園を包み込むようになり

 この年が 終わりに向かっていきます

 

 季節はめぐりますが 記憶に焼き付いている 子供の頃のような

 鮮明な 四季の色が 少しずつ 薄れてしまいそう

 春と夏が同居したり 秋の中に夏が出てきたり 冬なのに桜が咲いたり

 夏は夏らしく 秋は秋らしく と 願うのは 無理なのかも知れません

 それでも やはり 冬は冬らしく 春は春らしく あってほしいと 願うのです

 

 どうぞ 走り去るような 今年だけの秋 

 美しい一瞬を 見逃すことなく お楽しみください 

 

 

 

 

         【今年の華やかさを競う 樹木墓の 紅葉たち】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「柔らかに 墓を飾りて 蔦かずら」

 

 

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回顧録 no.67  「‥夢の風景  ~S先生の鞭 3/3」

 

   「~S先生の鞭 3/3」

 

   それは  「しのぶ竹」 と呼んでいた 小さな竹の 根の部分

   節がごつごつして 長さ 40~50㎝ほどあったろうか 

   振ると 鞭のようにしなり 「ヒュッ」という なんでも 着き通すような

   冷たく 恐い 音がした

   先生は それで お尻を叩く 

   これまで 悪さをした 何人もの児童が 犠牲になっており

   そういう 僕も 常習者だった

   多少の 力加減は あったと思うが それでも 飛び上がるように 痛く

   最初は 泣いた記憶がある

   

   いつ 叩かれるのか  待つ間の とても嫌なこと

   「ヒュッ」‥  音の瞬間 眼が点になり 例えようのない傷みが 広がり

   そして いくつもの ミミズ腫れがついて しばらくは 消えないのだ

   その朝も いつもどおり 眼が点になって 星が飛んだ

   それでも むくれるばかりで 謝ることはしない    

   

   教室の黒板の隣に 大きな算盤が 吊るされていた

   僕は その時も S先生の注意を 何度も無視し 悪さをしたのだ と思う

   顔を真っ赤にした 先生は いきなり その算盤を 外すと

   床に置き 指差して

   「座りなさい!」と 命じた

   正座した時の その痛さといったら‥ 

   ほんの数秒で 床に転げていた

   「後ろで 立っていなさい!」

   授業が終わるまで 一番後ろに 立っていることも 日常だった 

   

   ただ‥ なぜ あれほど 怒られていたのか 

   今 おぼろげに 思い出すのは    

   おそらく あの頃の僕は‥

   成績が良く(ふたクラスだけだったが) 気弱なくせに 

   これみよがしに 身の丈以上 自分を 誇示したがっている 

   しかし 何もできない 話せない 弱虫だったから 人が右といえば 左を向く 

   ひねていて 暗くて 友達も少ない 可愛げもない  ないないづくしの  

   先生から見たら 指導に値する 児童だったに 違いないのだ

 

   5年生の時も 6年生の時も S先生が担任だった

   そのあいだ S先生は

   発表会担当や  学級委員など 僕がみんなの前で 自分表現を きちんと

   できるよう いろんな機会をつくってくれ いつの間にか 自分の思いを 

   素直な言葉で 話せるようになり それと同時に  

   嫌だなと 思うことでも 逃げずに 立ち向かうように なっていった

 

   それから 20数年後 小学校の廃校式で S先生に お逢いした

   少しだけ背が曲がり 髪は白くなっていたが 

   あのダミ声と しゃくれた顎は 昔のままだった

   「君には 手を焼いたなぁ‥」

   笑って あの時のように 頭を撫でてくれ 僕は 生徒に戻る

   その後 しばらくして S先生は 彼岸へ渡ったと 聞いた

 

   60年近く経て 小学校跡は 道の駅に変わり 残る景色は 

   青い流れの川と 石造りの堤防だけ

   それでも そこには あの木造校舎があって 

   煙草を燻らせ 鞭を振りながら 

   僕たちを 迎える S先生の なつかしい 顔と声が 今も 生き続けている‥   

  

   

   

                f:id:yasuragi-reien:20191102160548j:plain

 

 

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霊園風景 その66 「‥この道」

 

   「‥この道」

 

  やすらぎ霊園 事務所隣から 北へまっすぐ 通じる道路があります

  少し 上り坂で その先の 階段を登れば  

  観音様を頂く 永代供養墓に つながります

  そして 道路の両脇には 整然と 多くの墓が並び それは 

  まるで 「倶会一処」という 「あちらの世界で 皆一緒になるのだよ」と 

  語りかけている かのようです

  

  確かに ここに立てば 

  人生は いつも上り坂だけれども 切れる息を辛抱して 頑張ると 

  穏やかな 残りの人生が 待っていてくれそうな 気がしますし

  いつか 先に逝った 家族や友に 逢えるかもしれない と 

  思わせてくれる 光景でも あります‥  

  青空に流れる 鰯雲を仰ぎつつ 香りに魅かれて 足を運ぶと

  橙色 多数の小花で 彩る 金木犀の花木が 揺らいでいます

  ここに眠る人たちにも 甘い香りは 届いているのでしょうか

 

                     【永代供養墓へつながる坂道】 f:id:yasuragi-reien:20191105085811j:plain

  

  お客様から 「年老いたら お参りに来るのが 厳しいかなぁ」 という

  ご意見などを いただくことがあります

  バス亭は 近くにありませんし JRですと タクシーで 5分少々要します

  でも 四季の移りゆく中 朝から夕まで 身を置いていますと 

  これほどに 心休まるところは とても貴重なのではないか‥  そして

  ここに眠る ご先祖様たちも 嬉しく思ってくれているのではないか などと

  勝手に 判断しているのですが いかがでしょう?

  これまで ご契約いただいた皆さまは 変わらぬ 安心と安全を

  これから おつきあいいただくお客さまには 真心と誠意を

  これまでの20年 そして これからの幾年月

  やすらぎ霊園は 皆さまとの ご縁を心として 信頼にお応えしてまいります

  ~‥~‥~‥~‥~‥~‥~‥~‥~‥~‥~‥~ 

  お墓に関する お問い合わせは いつでも お受けしています

  「お参りに行けない」 「守る者がいない」 「掃除が大変」

  どのようなことでも お気軽にご相談ください

  やすらぎ霊園は 経営 管理 販売の全てに 責任を持っています

  それは 2000年の開設以来 一貫して 私どもが貫いている

  「常にお客さとともに歩む」という 行動基準に 他なりません

 

  ご相談は 毎日 9時から17時まで ☎ 097 ( 598 ) 0100 へ どうぞ!

  ご来園時の事前予約などは必要ありません ご都合のいい時にお越しください

                         心より お待ちしています

 

 

 

 

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain「空家前 荒地に笑う 案山子かな」 

 

 

 

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回顧録 no.66  「‥夢の風景  ~S先生の鞭 2/3」

 

  「~S先生の鞭   2/3」

 

   運動場から 堤防を抜けると 細い橋(丸太?)が 川を横切っている

   川幅は 20mくらい あったろうか

   途中に何箇所か 石を積み その間を 削った丸太が つないであり

   それは 少し水が増えると すぐに流されるほどの 手づくり橋だった

   この時期 水は少なかったが それでも 深いところは子供の 腰くらいまで

   はあったと 思う

 

   間隔を開けて 橋を渡り 僕たちは山に向かい

   山の中腹あたりから 立ち並んでいる杉林の中に入り 思い思いに 枯枝を拾う

   持てるだけの枝を持つと それぞれに 学校へ引き返していく

 

   僕の前を 歩いていたのは Mさん 一番気になる存在 

   僕の後を 歩いていたのは Kくん 一番仲のいい存在

      「‥‥」

   橋を 渡っている途中 Kくんが 何か 話かけてきた が 良く聞こえない

   「何?」

          「‥‥」

   僕はつい 勢いよく 後ろを 振り向いてしまい 枯枝も一緒に 回り

   何かに 当ったと思ったら 

   「あっ!」 

   声に続いて バシャッと 冷たい音がした 運悪く深い場所で 

   Mさんは 腰まで水に浸かり 頭からずぶ濡れで 寒さもあってか

   声も出さず 鳴きそうな顔で 僕を睨んでいる 

   「コラッ」

   と いう声の主は 運悪く Mさんの前を 歩いていた S先生

   飛び込むと Mさんを 引き上げて 職員室へ行くよう 促した

   

   「ついてきなさい」 と 二人を 校舎の西側壁面に 連れて行く

   そこは みんなが「お仕置き場」と呼ぶ S先生お気に入りの場所で

   大きなバケツの中には 煙草の吸殻が いつも いっぱい積もっていた

   「ふたり 何か 言うことは」

    「‥‥」

     僕は ずっと黙って 煙草の吸殻を 目で数えていた   

   「僕が悪いんです S君に 何回も声かけたから」

   「君は?」

   「‥‥」

   「君に聞いているが?」

   「‥‥」

   「向こうを向きなさい!」

 

   そう言うと 先生は 壁に吊ってある 竹の鞭を 手に取った

 

                             (続く)

 

 

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