やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

「花苗プレゼント」のお知らせ

今 来園された方に「花苗」をプレゼントしています!!

 

春4月頃に 種をまき  6月に小鉢に借り植えしました

 

職員手づくりのため お店のように立派ではありませんが 

愛情だけは どこにも負けないと 育てた職員が言っています

 

「キバナコスモス」「百日草」「宿根サルビアの3種類ありますが

いずれも数に限りがありますので 無くなったら ゴメンナサイ!

 

やすらぎ霊園事務所に お声がけください

 

 f:id:yasuragi-reien:20170716162129j:plain  早く大きくなあ~れ

 

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回顧録no.7 「‥温泉町のA君のこと  3/4」

 

 

前回までのお話はこちら↓

yasuragi-reien.hatenablog.jp

  「‥温泉町のA君のこと 3/4

 

 

 祖母と温泉町に行った時は 必ずA君の家に遊びに行き いつもと同じように夏休み

 や冬休みを過ごし ずっと変わらない日々が続くと思っていた

 

 しかし それから間もなくして 夏休みの間にA君はいなくなった

 両親が勤めていた旅館がつぶれ 給料の遅れから借金を抱えていたから 出ていくし

 かなかったと 後で伯母が教えてくれた 

 

 A君の家はそのままだったが 急いで出たらしく西の窓際からのぞくと いろんな

 ものが散乱していた 

 そこには 彼がいつも読んでいた赤胴鈴之助の漫画本が風呂敷からこぼれて

 残っており 親に叱られてあきらめる A君の寂しそうな顔が浮かんで流れた

 

 やがてその家は壊されて 一帯に堤防がつくられ 大雨の後の水たまりはなくなり 

 少しずつ大人になっていく 子供たちの声も小さくなり 温泉町の風景と同時に

 A君の記憶も遠のいていった              (続く)      

 

 

                                          【昭和を飾った映画館】

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霊園風景 その6「夏風がおよぐ樹木墓地」

 「夏風がおよぐ樹木墓地」

 ふと  風に吹かれてみたい気持になったとき

 見るともなく 空のかなたを眺めていたいとき

 子供の頃に遊んだ 夏風景を思い返したいとき

 何もないのだけれど 日々の繰り返しに いらだち 疲れたとき

 

 ここに立って 南の空を眺めています

 

 三方を緑に囲まれ 高台から見下ろす位置にある「樹木墓地」の 初夏の風景に出逢

 うと いつもそばにいて ずっと一緒に生きていくことを 疑わなかったあの頃が

 思い返され すごした時間が とてもいとおしく 感じられるのです

 

 もう二度と あの頃は戻ってこないのだけれど 

 大切な人に逢うことも 声を聞くこともできないのだけれど

 それでも ここに立って 芝生に覆われた墓碑に語りかけてみたら 

   逢えるような あの懐かしい声が聞けるような そんな気がしてなりません 

 

 初夏から盛夏 そして残暑へと 夏が来て過ぎ去るように 「樹木墓地」の風景も

   少しずつ衣替えしていきます

 

 7月 風泳ぐ「樹木墓地」の風景です

 

                              

 

                                         【 夏風が泳ぐ樹木墓地 】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain  伝えたい 言葉を置いて 夏がいく 

 

 

公益財団法人 やすらぎ霊園 オフィシャルサイト

回顧録no.6 「‥温泉町のA君のこと  2/4 」

前回までのお話はこちら↓

yasuragi-reien.hatenablog.jp

   「‥温泉町のA君のこと 2/4

 

  その温泉町は町の中央を川が流れ 両側には高い山が迫るわずかな平地に 多くの旅

  館が軒を並べていた

 

    A君の住む家は 高台に立つ狭い平屋の住居で 庭のすぐ向こうには崖がせまってい

 たし その崖は大雨のたびに家に近づいていると A君は笑って教えてくれた 

 

 彼が一人っ子のためか 家の中はきれいに整理され そして 本棚には「少年画報」

    や「冒険王」などの漫画本が 所狭しと並び 最新号がいつも揃っていた 

 

 その頃 漫画を買ってもらえる子供はわずかで いつも回し読みでしか 読むことが

    できなかったから いつでも好きなだけ「まぼろし探偵」や「赤胴鈴之助」を読める

 A君がうらやましかったし 壁に貼ってある何枚もの絵は とても上手に描けていた

    記憶がある

 

 西日を受けた窓際で本を読み 絵を描くA君を見ながら    子供心にもうらやましさと

 あこがれを持った記憶がある

 

                       【 ♪♪ け-んをとってはニ-ッポンいちの~  赤胴-鈴之助 】

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霊園風景 その5「 ‥‥ 華やかな花壇墓」

     「‥‥ 華やかな花壇墓」

 

                                          【 五月末 色鮮やかな花壇墓 】

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 ちょうど1年前の春に 販売を始めたのが「花壇墓」です

 文字どおり 花壇に植えられた 色とりどりの草花がお墓を飾っています

 

 「故人の周りを好きだった花で飾ってあげたい」という ご家族の要望にお応えして

  誕生した「花壇墓」は  お墓をできるだけ小さくし 何種類もの草花が故人を包み込

  むイメ-ジでつくられています

 

 奥の方に好きだった宿根草 手前に一年草と それぞれに違った色彩の草花は 故人

 を慰め 訪れる人とのふれあいの時が より身近に感じられるのではないでしょうか   

 

 やすらぎ霊園にお越しの時は ぜひ「花壇墓」を訪れてください

 

 あの人の声を聞いたような あの人の笑顔に出逢えたような   

 そんな想いのひとときが 過ぎていくことの幸せに 浸ってみませんか   

 

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain    君がいる 花お墓に舞う  あざみかな

 

 

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回顧録no.5 「‥温泉町のA君のこと 1/4」

  「‥温泉町のA君のこと 1/4」 

 

 祖母と行く温泉町での楽しみのひとつは 2人の従兄弟との遊びだった

 特に一つ下の従兄弟とは年が近いこともあり 一日中一緒に遊んでいた記憶がある

 

 大雨が降った後の川岸脇のくぼ地には いろんな川魚が取り残されていて

 そこに子供たちが入って 我先にと手あたり次第捕まえるのだが

 

 その時 従兄弟が誘って来ていたのがA君だった 

 色白のやさしい顔立ちの子で ニコニコ笑いながら

 楽しそうに水しぶきをあげて動き回っていた A君とは すぐ友達になった

 

 彼は絵を描くのが好きで 本を読むのが好きで 映画を見るのが好きな 自分と同じ 

 趣味を持っていたことも そして 彼の物静かで控えめな性格も好きだった                        

 

    彼の両親は 従兄弟の親と同じく 小さな旅館に勤めていた

                                  (続く)

 

  

                                           

              【胸をときめかした 時代劇】                                                    f:id:yasuragi-reien:20170523135603j:plain        

              

                                        

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霊園風景 その4「雨に煙る やす君たち」

     

    「雨に煙るやす君たち」

 

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     駐車場から「芝生墓地」へつながる階段横の芝生面に いくつもの 石造りの

 かわいらしいモニュメントが並んでいます 

 

  考え事をしている男の子 胸で手を合わせる女の子 子供を抱くお母さん 

  

 ここに「芝生墓地」を造るとき 眠っている故人たちのささやかな  なぐさめになり 

 ますように 参拝される人たちが笑顔で逢いに来れますように そんな想いを込めて

 設置されました

 

 このブログを案内している「やす君」は その中でも やさしい微笑みを浮かべて 

 そして とても愛嬌のある表情で 顔をかしげて 真ん中の位置に鎮座しています

 

 彼らが眺め続けてきた風景には いくつものドラマが詰まっていることでしょう

 墓地にあふれる 色とりどりの供花には それぞれの辛さや 悲しさなどを抱えて 

 やす君たちの前を通り過ぎていく人々の光景が浮かびます

 

 静けさの中で 聞こえる声やため息を やす君たちは共有しているのだと思います

 

 今日は静かな雨の一日で 訪れる人も少なく 休息の時間が過ぎていきます

  

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain  君が待つ 芝生墓地にも 梅雨が来る 

 

 

 

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