やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その31  「‥‥樹木墓を空から見る」

「‥‥樹木墓を空から見る」

 

   2012年の夏に 販売を始めた「樹木墓」は 最後は土に還る という

  これまでのお墓にはない あたらしい発想のイメ-ジで 創られました

  販売当初は 目新しいものの 馴染みのないこともあって お客様の評価は

  今一つでした が

 

  春遠からずの 晩冬に紅椿が咲いて 

  豊後梅の素朴な花が続き 

  やがて 花水木の 美しい白やピンクが彩り 

  夏の陽射しに負けない 百日紅の赤が照り

  そして 晩秋の紅葉が 芝生一面を覆う

 

  そんな 四季の光景が 繰り返される 「樹木墓」は

  今 とても 高い評価をいただき 多くのお客様に ご利用いただいています

 

  下の写真は 6月の「樹木墓」を 120mの高さから撮影したものですが

  いつも見えている 光景とは違って とても新鮮に見えます

  

  これから 梅雨が終わり 暑い夏を迎えて 芝生はさらに緑を増し

  花木たちは 一生懸命に 命をつなぎ やがて 豊穣の秋を迎えます

  

  ぜひ一度 見学においでいただき その美しさに 触れてみてください

  希望される方は 職員が 現地を案内いたします

  皆さまの お越しを 心よりお待ちしています  

 

 

 

 

      【 空から見た 樹木墓光景 まるで幾何学模様のよう 】

f:id:yasuragi-reien:20180603143747j:plain

 

 

 

  

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「豊後梅 酸っぱさに笑む 墓の母」 

 

 

 

 

www.yasuragi-reien.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回顧録 no.32 「‥地域と生きた S先輩」

   「‥地域と生きた S先輩」

 

            「 挨拶に行くなら 雨や雪など の 荒れた日が いいと思う 

       そして なるべく 山間部から 行こう  」

 

             地方選挙に 出ることになった S先輩が 発した言葉

    挨拶回りに 町内全域を回らなければならないが 広いうえに

    その町は 山々に挟まれ 標高の高い 地区に 点々と 家が散在していた

    12月には雪が降り 寒さで 至る所が凍りつき 誰もが 通るのを避ける

    そんな 初冬から翌春にかけての 活動は はじめての経験だった

 

    S先輩の言葉を信じて みんなに伝えると 案の定 批判の 声

    それでも 限られた時間の中 行くしかない と

    何とか説得して あえて 荒天の時こそ 奥地に行く ル-トを組み込んだ

 

    そして 報告内容は S先輩の言葉どおりで 在宅が多く 感謝の言葉や

    温かいお茶さえ いただいたと 誰もが納得した

 

    そうした努力もあり S先輩は 高位で議員の席を 得て

    それから 3期務め もっとやりたいことがあるから  と勇退した 

    地元が頑張れるように 特産品の製造販売を 地域の仲間と 一緒に始め 

    その評判は高く 製造が追いつかない と うれしい悲鳴を上げていた

 

 

    ある冬の夜 反省会が 近くの公民館であり 遅くに歩いて帰る途中

    何らかの拍子に 用水路に落ち そのまま 帰らぬ人となった

    澄み切った空に 星のきれいな夜だった という

 

    とても寒い夜だったこと 少し飲んでいたこと 血圧が高かったこと

    などが災いしたと 後で 奥様から聞いた

 

    木訥な人で 人前では あまり しゃべることも 笑うことも しなかった  

    自分の主張は 曲げなかったが 頑固ではなく  

    見えないけれども いつも 思いやりや 優しさを 体中に 携えた人だった

    

     田んぼのそばの 社宅あとの古い一軒家が 事務所だった

     寒さと静寂さと 夕闇の中で 居ついた野良猫と 仕事をしていると

     「いるかい‥」と 戸を開けて

     「よかったら‥」と おでんを 差し入れ

     「じゃあ‥」と 多くを語らずに 帰っていく

    懐中電灯の明かりが 砂利道から 少しずつ遠のいていき 

    疲れたような 丸い後ろ姿が 夕闇に溶け込んで 見えなくなった

 

              あれから 25年 

    あの特産物は 名実ともに 町を代表する 商品となった

    そして

    60代後半で逝った 最大の貢献者は 今

    事務所に入ったら すぐ横の壁で 申し訳なさそうに 

    笑っている

 

 

   

    

   【 S先輩が こよなく愛した ふるさとに似た 冬光景 】     

f:id:yasuragi-reien:20180608151112j:plain

 

    

 

 

www.yasuragi-reien.jp     

霊園風景その30  「‥‥大山木の 咲く」

「‥‥大山木の 咲く」

    

   径20~30㎝もある 純白の花 タイサンボク

  今年も 納骨堂の近くに 甘い香りと一緒に 見事な花をつけてくれました

     北米原産で わが国には明治初期に渡来したと いわれていますが

  その  高貴で 優雅なたたずまいや 艶やかな濃緑の葉と 純白の花の

  組み合わせは 仏の世界にも つながるような気がします

    

  気になって 調べてみましたら やはり 多くのお寺に 植えられていました

  仏教の世界に 似て 静の  雰囲気を 醸し出しす 落ち着いた 映像は 

  お寺の 光景に とても似合うと 思うのです

 

 この花木の 唯一の欠点は 強風に弱いこと

 幹の太さの割には 葉形がとても大きく 強い風が 来ると

 耐えきれずに 折れてしまいます

 ですから 大きくなっている タイサンボクは 風の少ない 場所に 

 植えられています 

 やすらぎ霊園でも 風を避けられる 納骨堂の傍で 元気に 四季を過ごし

 毎年 この時期に 美しい花を 届けてくれています

 

 そして タイサンボクの 向こうで 優しい青色を 見せているのが

 同じ時期に 輝きを放つ 紫陽花で お寺や神社に多く見ることができます

 この花もまた 仏や神に通じるかのように 静 を感じさせて  

 控えめだけれども 凛とした 美しさを披露しています 

 

 タイサンボクや 紫陽花の咲く この時期こそ 仏や神が 

 一番身近に感じられる そんな気もするのです

   

    

   

     【静かに 慎ましい 美しさを見せる 大山木の花】

f:id:yasuragi-reien:20180606110720j:plain

 

 

 

 

 

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「包み込む 大山木の 白き手よ」  

 

www.yasuragi-reien.jp

回顧録 No31  「‥ もういいね と M先輩」

 

  「‥ もういいね  と M先輩」

 

   20代後半の頃 M先輩は50代前半だった

   地方議会議員の選挙を通じて 先輩を知った

   白髪で 少し小柄で いつも柔和な笑顔を絶やさず

   議論を交わしても 怒ることもなく とつとつと 自弁を述べていた

   

   みんなからは「仏のMさん」と  尊敬や親しみをもって 呼ばれており

   本当に 仏様のような 優しく心の広い 陰日向のない 人だった

 

   いつのころだっただろう

   生意気なことを しゃべり こっぴどく周りから 非難されたとき

   M先輩から 事務所2階の 別室に呼ばれた

 

   「いいなぁ‥‥  言いたいことを言えて  若い君がうらやましい  

    年を取ると 言いたいことも 言えなくなってねえ 

    正しいと思ったら 遠慮なく言う方がいい 

    言いっぱなしじゃ だめだけどね‥‥」

   

   そんなことを M先輩らしく 笑いながら 慰めつつ 励ましてくれた

   あの人の あの人らしい 説教だったことを 覚えている

 

   

   その後数年して M先輩は 事業所の所長として 離れた街に移り住み

   それから 間もなくして 自らの人生を 自らで終わらせた

   

   その時 ふと 説教してくれた時の M先輩のことを 思い返してみた

   M先輩は あの頃から 多くの悩みを抱えていたのではないか

   優しいから 優しすぎるから 誰にぶつけるでもなく 心がいっぱいになるまで

   一生懸命に 耐え続けていたのではないか と 

   だからこそ 「言いたいことは 言え」 と 説いてくれたのではないか

   あの時の  優しい 笑顔を思い出して 泣いた

 

   2階のM先輩の 机の上には 几帳面らしい 性格そのままに

   奥様宛の 感謝の文がきちんと置かれ  その最後に

   「もう いいね」と 記されていたという

 

   それから 40年近く経つが 

   M先輩は 今も変わらぬ 人生の師として 

   生き続けている

 

        

               【先輩‥ 説教いただいた事務所の2階に似ていますか?】

        f:id:yasuragi-reien:20180606162803j:plain

      

    

 

www.yasuragi-reien.jp    

霊園風景 その29 「‥‥自然はやさしくも 荒くも」

 「‥‥自然は優しくも 荒くも」

 

   やすらぎ霊園の時は 静かに流れて

   春から夏 秋から冬へと 移りゆく光景も 変わることなく 

   めくるカレンダーは これまでとの四季と 同じことを繰り返していくので

      ここには

   風や雨や鳥 自然の営みの音だけが 渡っていき 時折り 聞こえてくるのは

   列車の響きや 車の騒ぎ 

   

   それでも

   時には 自然の猛威が 何の前ぶれもなく 訪れてきます

   一昨年の 熊本大分地震では 法名塔などの一部に 被害が出て

   そして 昨年9月 大分県を襲った台風18号では 霊園のすぐ横を流れる

   長谷川が あっという間に 水かさを増し 

   すさまじい濁流となって 岸を 襲いました

   日頃は ほんのわずかな 水量ですが 数十年に一度という 豪雨は

   恐ろしいほどの勢いで 頑丈に見える護岸を押し流したのです

   下の写真に見える 横たわっているような コンクリ-トの固まりは

   本来 左側に直立していなければならないのですが‥‥

   いつ 襲うかもしれない 自然災害の恐ろしさを 実感すると同時に 

   日頃からの心構えや準備を 怠ってはならないと 言い聞かせた次第です

   

   皆さまから いつまでも 安心して お任せいただける 

   やすらぎ霊園であり続けるために 

   ここに眠る多くの御霊や 見守る方々のために

   これからも しっかりと 設備の維持管理に努めていく 覚悟です    

   

    

       【2017年9月 護岸崩壊直後の長谷川】  

f:id:yasuragi-reien:20180513141003j:plain

 

       【2018年5月 復旧工事中の長谷川】 

f:id:yasuragi-reien:20180517105514j:plain

 

 

       【2018年6月 無事に完成 これで当分は‥】

f:id:yasuragi-reien:20180610131118j:plain

 

 

 

 

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain   「来る友に 破竹を採りて 土産とす」  

 

 

www.yasuragi-reien.jp

   

霊園風景 その28 「‥‥たおやかに大手毬の花」

 

「‥‥たおやかに大手毬の花」

    

    4月の末頃になると 芝生墓の近くに 丸みを帯びた 薄いピンクの花々を

 見ることができます

 その花が 手毬のように 映ることから オオデマリと呼ばれている

 スイカズラ科の 落葉小高木です

 

 緑の芝生との コントラストも とても美しく 花姿は 

 たおやか という表現が とても似合いそう

 れっきとした 我が国原産で ヤブデマリの 園芸品種に なります

 初夏の   青い空に向かって咲く姿も 美しいのですが 

 秋の 紅葉も 見ごたえがあります

 

 夏の暑さにも 冬の寒さにも強く 花も 紅葉も 美しく

 成長も遅く 剪定もいらず  

 ここまで 手間いらずの 花木は めずらしいのです 

 

 花言葉は 「優雅なたしなみ」 や 「華やかな恋」 など

 芝生墓を 見下ろす位置に 咲いてくれていますが

 まるで 愛し子を包み込むかのように やさしく微笑んでいます  

 

 

 

     【春の陽射しが ピンクを揺らし 大手毬】

f:id:yasuragi-reien:20180429120005j:plain

 

 

 

 

 

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「あの空を 包み込むのか 夏の雲」 

 

 

www.yasuragi-reien.jp