やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その90  「‥記念樹のお話」

「‥記念樹のお話」

 

    やすらぎ霊園 「芝生墓」のすぐ下の位置に 真新しい樹木が 立ちました

 名前は 「島百日紅(しまさるすべり)」

 控えめで小さな白花は あまり目立ちませんが 夏の青空に向かう 

 伸び伸びとした木姿は 一服の清涼感があって なぜか 元気を与えてくれそうな

 

 やすらぎ霊園開設20周年を記念して 霊園管理をお願いしている会社より

 寄付いただいたものですが 霊園の雰囲気に 「とても似合っている」 という

 言葉をいただくほど 周りの風景によく馴染み 昔からそこで生きてきたような

 慣れ親しんだ雰囲気を 醸し出してくれています       

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 ただ あの「百日紅」とは 兄弟ではなく 近縁種 だそうです

 人間ならば 二従弟同士 みたいなものでしょうか 

 花は 注視しなければ見えないほど小さく 地味ですし 

 百日紅のように ひと夏咲き続けるような器用さはなく 気がつかないうちに

 散っていた というほどに 短いのです 

 

 しかし 幹の美しさは 百日紅に勝る といわれており 樹齢を重ねるほどに

 幹がうねり 白さが際立ってくるそうで

 暑さや 乾燥にも強く 樹齢は100年を超えても なお伸び続ける

 その 姿かたち これからの 長い歳月

 この地にそびえ立って 多くのお客さまをお迎えし 

 やすらぎ霊園シンボルツリーとして 光り輝いていくことでしょう

 

 願わくば 100年後の 「島百日紅」を あちらから 見てみたいと‥‥ 

 

 

  

                             【9月の青空に 輝き 伸びて 島百日紅

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「百日紅 逝きし吾子の 頬に似て」

 

 

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回顧録 no.90 「‥夢の風景 ~北の国から」」

 


「~北の国から

 

 「 北の国から‥ 

 

 TVドラマで知った 北海道「富良野」を舞台に 繰り広げられる

 父と子の 3人が 必死に 生きていく 21年に及ぶ成長の物語

 淡々と描かれていく 厳しくも優しい自然と 周りの人々との 出会いや別れは

 まるで 本当の親と子が そこで暮らしているのではないか

 そう思わせるほどに 時代を紡ぎ 超えていく 壮大な抒情詩であり

 父が 朴訥とした表情の中に見せる 我が子への愛情の強さは 胸を打ち 

 子供たちが 成長の過程で繰り返す 希望や苦悩は  

 思わず そこに自分がいて 声をかけ 励ましたくなる‥

 自分の人生と重ね合わせ 涙で霞んだこともある

 

 3月 雪が残る ふるさと 

 中学を卒業し 就職のため上京する息子

 父は 汗して働き得たお金を 乗せてもらうトラックの運転手に渡す

 運転手は 泥のついたその金を 息子に返して 言う

 「自分の宝にしろ」 と

 息子は 送り出した父の思いや温かさ 運転手の優しさに触れ 

 泥のついたお金を握りしめ 涙する

 ドアミラーに映るのは トラックの後を 追ってくる 妹  

 

 父の友が 妻のために家を建てる が その妻は癌が再発 余命は少ない

 誰にも言えず ひとり黙々と 夜遅くまで 釘を打ち鋸を引く

 状況を察した父に 急き切ったように 思いをぶつける

 流す 大量の涙と鼻水は 実際に 2か月前に妻を癌で亡くしていた 男の 

 心の叫び でもあったという

 今も あの涙と鼻水が溢れ出る 映像を思い返すと 妻が 重なってしまう    

  

 それぞれのシーンに 描かれていく 美しい 四季の自然 人々の営み

 そっと 北の風景を 紡いでは 解きながら  

 笑い 泣く人々を 優しく包み込み いつも 風が吹いている

 こういう 豊かな自然の中だからこそ 物語が広がり 深まっていくのだろう

 長い白の冬 清々しい緑の春 天高い青の夏 煌びやかな赤の秋

 それぞれが 時の流れを鮮やかに彩る もう一つの主役として

 見事なまでに 存在していた

 

 21年という時を 駆けていった 北の物語

 今も そこに行けば 純や 蛍や そして 父の 黒板五郎に 

 ばったりと 出逢えそうな そんな 気がする

 いつの日にか あの地に立ってみたい と 願っている‥‥

 

 

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ご報告とお礼 「20周年記念式典」と「ふれあいの日々」

   ‥♦‥ご報告とお礼‥♦‥

 

 

 「20周年記念式典」開催しました!

 

  2000年4月、この地にやすらぎ霊園が開設され、今年で20周年を迎えました。

  これを記念して、9月19日(土)秋晴れの中、記念式典を開催しました。

  

  受付での検温や体調確認、通常の3倍近く広いテントの設置、扇風機で風を送る

  換気対策など、新型コロナウイルス対策を徹底しての開催となりましたが、

  晴天に恵まれ、さわやかに秋風が吹く中関係者50名の出席を得て、「浄雲寺」

  ご住職による「永代経法要」が営まれ、御仏の教えに感謝し、ここに眠る方々に

  対して、追善させていただきました。  

  霊園代表者からのお礼挨拶に続いて、霊園構想から造成、そして販売に至るまで

  ご指導されたお二人の歴代理事長、墓石建立や販売にご協力いただいている墓石

  店代表者より、それぞれお祝いや激励のご挨拶を頂戴しました。

  最期に、20周年を記念して寄贈いただいた「記念樹」が出席者に披露され、和やか

  な雰囲気の中で、式典を終えることができました。

  

  私たちは、記念樹の成長とともに次の10年、20年、さらにその先を見据えてこれか

  らも、誠心誠意努めてまいります。

  ご契約いただいている皆さま、引き続きよろしくお願いいたします。

  これからお付き合いいただく皆さま、どうぞ、安心してお任せください。

  やすらぎ霊園は、「いつまでも安心・安全」をお約束します。

 

                                        【特設テントで開催された 記念式典】

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       【浄雲寺ご住職による「仏説阿弥陀経」と歴代理事長によるご焼香】 

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   ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・・~

    秋のお彼岸フェア 「ふれあいの日々」

           ご来園 ありがとうございました!

 

 やすらぎ霊園は、9月20日(日)~22日(火)までの3連休に、過去2回に続いて、

 秋のお彼岸フェア「ふれあいの日々」を開催しました。

 コロナ禍の中でしたが、3日間とも秋の青空に恵まれて、大変多くのお客様にご来園

 いたき、一日中、墓石の前で手を合わせるご家族の姿がありました。

 また、毎年行っている「おはぎ」プレゼントは、毎日150個準備しましたが、午後早

 くには無くなるほど好評でしたし、市価よりお安く提供している供花も、恒例化して

 いることもあって多くの参拝者にご購入いただきました。

 

 貴重な時間を割いて、お越しいただいた皆さま、そして、お申し込みやご契約いただ

 いた皆さまにあらためて深くお礼申し上げます。

 お申込み・ご契約いただいた皆さまには、ご満足いただけますように、役職員一同、

 誠心誠意努めてまいります。

 やすらぎ霊園は、全てのお客さまから「最善の選択だった」との評価をいただけます

 ように、これからも、お客様目線に立った霊園づくりを進めてまいります。

 皆さま、本当にありがとうございました。

    

                         【美しい 四季の風景に包まれて 人気の高い  樹木墓】

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    やすらぎ霊園がお届けするのは、安心と安全です。

  時代や社会の変化とともに、供養やお墓に対する意識も大きく変わり、それだけ供

  養する形の選択肢も広くなってきました。

  やすらぎ霊園には、従来からあるお墓に加えて、芝生の中にある「樹木墓」や

  「芝生墓」、そして「納骨堂」や「永代供養墓」と、多種多様のお墓が揃って

  おり、皆さまの要望や条件に適うお墓がきっと見つかります。

  ぜひ、やすらぎ霊園にご相談ください。

  毎日(※1)、9時から17時まで営業しています。事前予約も不要です。

  ご都合のいい日に、ご家族おそろいでお越しください。心よりお待ちしています。

 

      ※1) 毎週土曜日は、申込や契約などの受付業務、各種お問い合わせ

          などへの対応は行っていません。

          ご了承ください。なお、説明や案内等は行っています。

 

 

  

   

  

  

 

霊園風景 その89 「‥開設20周年の重み」

「‥開設20周年の重み」

 

     大分市竹中のこの地に やすらぎ霊園が開設されたのは 溯ること 20年前

   2000年の春でした

  支援組織や墓石店等の 力強いご支援もあって 販売実績を重ね

  2007年には自由墓区画を増設 さらに 2012年には 県内では初めてとなる

  新しいお墓「樹木墓」や「芝生墓」そして 2019年には コンパクトなお墓

 「なごみ」を新設し 現在では 2300近い区画を有しています 

 

 開設から今日までの20年間 決して順調に成長した訳ではありません

 特に 2008年の米国リーマンショックに端を発した国内の景気悪化は 

 墓石や霊園業界も撃し 一時期は 厳しい経営状況にも直面しました

 しかし 2010年 同じ総合生協グループの仲間であった 大分県勤労県民共済会との

 合併により 再出発を図ることができ 以降は 着実に経営実績を重ねています

 

 今 健全経営を維持できているのは

 支え続けていただく 総合生協グループの皆さま

 美しい霊園を 維持管理していただく 関係業者の皆さま

 信頼と実績で 完全な墓石を建立していただく 指定店の皆さま

 そして わたしどもの霊園を 契約いただいたお客さま

 あらためて 関わってこられた 全ての皆さまに感謝申し上げます

 これまで いただいてきたご支援に これからも 一所懸命の心で

 しっかりお応えしてまいります 

 

 やすらぎ霊園は 墓地や墓石の販売 と 同時に 未来にわたっての 

 安心と安全を お約束します

 霊園の維持管理 墓地墓石の販売 全て やすらぎ霊園の責任で行っています

 安心してお任せいただける霊園として 20年間のご支援を励みとして

 これからも 誠心誠意 努めてまいります

 

 どうぞ ご家族おそろいで お越しください

 いつでも 気持ち良く 来園できますように 

 役職員一同 心を込めて 対応させていただきます

 

 

   「皆さま ようこそ やすらぎ霊園へ 何なりとご相談ください!」

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              【秋の青空と永代供養墓】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「吾子の名を 墓誌に彫りたる 秋彼岸」

 

 

回顧録 no.89 「‥夢の風景 ~夏雲を追う」

 「~夏雲を追う」

 

   しんとした 無音の午後 けだるい空気が漂う 夏のある日

   地上からの 蒸し返しが ほんの少しだけ和らぐ ブナの木の 足元

   眩しげに見上げれば 焼けた緑葉から 差し込んでくる 陽の光

   その遥か向こうの 青空に 根づくかのように そびえ立つ 入道雲

   ふと 思う

   これまで どれほどの夏に どれほどの入道雲を 眺めてきたのだろう と

 

   小学校の夏休み 川遊びの帰り 田んぼあぜ道の すももを 黙っていただき

   捕った大きなクワガタを 友達に自慢して 坂道を上るとき 

   迎えるかのように 向かいの山から 湧き上がってきた 入道雲

 

   夏の休日 焼けるようなグラウンド 友とふたりで キャッチボール

   街に出るお金もなく いじけたような球が 青空の中を行き来し

   それは そびえる入道雲の白と 交ざり合う

 

   研修期間中の ひととき 休日を利用して 訪れた 露天風呂

   誰もいない 湯船にまったり 友と交わす 無言の友情

   硫黄の煙りの その先に ビール腹のような 入道雲が 笑い立つ

   

      夏の病室から 眺める窓向こうの光景 椅子に座った先輩が ひとつ咳をする

   昼下がりらしい 生温かな風が流れ 曲がりくねった川が 遥か先まで続き

   陽炎の中に浮かぶ山々は 日焼けして 白く輝く入道雲が 見下ろしてくる

 

           高原を横断する一本の農道 脇を覆う夏草たちが 一斉になびいていく 

   行き交う車もなく 窓を開けて 満足そうに笑む 白い 妻の横顔

   バックミラーに 浮かび去る 入道雲の 粋な 一度きりのプレゼント

   

      川遊びした幼馴染 キャッチボールした同級生 心を交した親友 

   教えを乞うた先輩  そして妻‥

   まるで 人さらいのように 夏の入道雲が 僕の前から 

   みんなを連れていき この夏も 隙あらばと 狙ってるかのよう

 

   それでも 次から次に湧き上がり 大空を謳歌する 入道雲を仰げば

   後を追って行きたい 衝動に駆られてしまいそうになる

   青と白の その中に この身を置けば 

   どれほどの幸せ感が 訪れてくれるのだろうか と 思ってみたりする

   

   「 おーい 入道雲

    次は どこに行くのだい?  来年も ここに来るのかい? 」

   

   青空を独り占めした 入道雲が 僕を置き去りにして 飛び去っていく

 

   

   

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霊園風景 その88 「‥ぼたもち と おはぎ」

「‥ぼたもち と おはぎ」

 

 子供の頃 お彼岸が近づくと 母のつくる ぼたもちが 楽しみでした

 粒あんで包まれた ぼたもちは 数少ない 貴重なご馳走で

 今でも 春・秋のお彼岸の頃に 頬張ると あの時代が 鮮やかに蘇ります

 

 田舎では いつも 「ぼたもち」 と 呼んでいましたから

 「おはぎ だよ」と 聞かされて 戸惑ったことがありました

 調べてみると 

 春のお彼岸に食べるのが 「ぼたもち(牡丹餅)」

 秋のお彼岸に食べるのが 「おはぎ(お萩)」 

 どちらも季節の花(牡丹と萩)にちなんで名付けられたとか

 見た目はどちらも同じようですが 形やあんこに 違いがあって

 「ぼたもち」は丸い形で こしあん 「おはぎ」は平べったい形で つぶあん

 が 正解だとか 

 

 なぜ お彼岸に ぼたもちや おはぎが 食べられるようになったのでしょうか

 古来から 小豆の赤色には 魔除けの効果あると されていましたので

 五穀豊穣を象徴する お米と組み合わせ ぼたもちや赤飯などにして お彼岸など

 に 捧げられてきたのだそうです

 また 農耕中心の日本では 春の農作業時期には ぼたもち を 

 そして 秋の収穫時期には おはぎ を それぞれつくって

 神様に 祈り 感謝していたとも 伝えられています 

 四季折々の豊かな自然に恵まれた 日本ならではの習慣だと 思うと 

 この国に生れてきたことが とても嬉しくなります

 

 間もなく 秋のお彼岸です

 やすらぎ霊園では お彼岸に合わせて 第3回「ふれいあの日々」を 開催します

 期間中は 多種多様なお墓の特別販売や お墓相談会 供花の特価販売 そして

 お寺様のご供養など ご好評いただいている各企画で 皆さまをお迎えします

 そして 今回も お彼岸名物 「おはぎ」を ご用意しました

 毎日 先着150名様にプレゼントいたします

 どうぞ 皆さまご家族おそろいで お越しください

 役職員一同 心よりお待ちしています

 

 

     【お彼岸に合わせるかのように 咲きほこる 曼殊沙華】

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        お知らせ!

             

     やすらぎ霊園 秋のお彼岸フェア  

   ~・~・第3回「ふれあいの日々」~・~

 

  1.期  間 ‥ 9月20日(日)~  22日(火)の3日間

           ※毎日 9時から17時まで ただし供花販売は8時から

  2.場  所 ‥ 大分市竹中 「やすらぎ霊園」

  3.企 画 ‥   (1) ・展示墓や在庫分の特別提供 ・墓石土地のセット割引

                         (2) ・お墓の相談会 ・お寺様の供養 ・供花の特価販売    

                            (3) ・「おはぎ」プレゼント(毎日150名) ・粗品プレゼント

        4.その他 ‥     (1) 来園時は マスク着用をお願いします

            (2) おはぎは、先着順にプレゼントします。

 

   第3回ふれあいの日々チラシはこちら▶http://www.yasuragi-reien.jp/2020_autumn.pdf

 

 

        

f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「餡子つけ 頭かしげる 地蔵かな」

 

 

 

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回顧録 no.88 「‥夢の風景 ~花の東京」 5/5


「~花の東京」  
5/5

 

 平成4年の年が明けた

 早くから相談していた Sさんにだけは 帰る意思を伝えていたが

 彼は 反対し続けた

 「トップになれ とは言わないが 二度とない機会だし 活かすべきだよ」

 近くにあった 老夫婦が営む なじみの居酒屋で   

    何度か 手を変え 品を変え 思い止まらせようと 躍起で

 最後は 老夫婦も入っての 説得も試みてくれた

 嬉しかった…

 

 だが 決意は 変えようが  なかった 

 帰ることを前向きに捉え 九州で再挑戦して いつか Sさんの期待にも

 必ず応えようと 思っていたし その想いも正直に伝え そして

 最後は 「九州で頑張れ」の言葉を 贈ってくれた

 

  6月九州帰任が決まり 8月夏休みの早朝 家族は東京駅で 花の都に別れを告げる

 4年前 来るときは飛行機だったが 「ゆっくり 景色を見たい」 という

 妻の希望で 帰るときはJRにした

 支えてくれた仲間が集まってくれ 窓ガラスの向こうで 「バンザイ」を繰り返す

 想いの詰まった ひとりひとりの顔が 涙でぼやけ 泣き笑いで 頭を下げる

 それは 花の東京への 4年間のお礼でもあった

   

    そして 9月 曼殊沙華が咲く早朝 家族が見送る中 

 安心したかのように 静かに 父が旅立った

 苦労続きだった父と 支えた母に感謝し 妻と子供らに感謝し  

 東京の仲間に感謝し 東京という街に 感謝した

 

 重い 想う 4年間だった

 戸惑い 憤り 嘆き 苦しみ そうしたものを 大方飲み込んで

 前を向き生きる術を 心と体に 染み込ませてくれた 4年間だった

 駅頭でも 交差点でも 上手く渡っていけるようになり

 地下鉄構内でも 迷わなくなり 何より 標準語に近づいた

 そうして 築いた4年間は 今でも この中にあり

 心と体が覚えたことは 簡単には無くならない ふとした時 表に出てくる

 

 あの時出逢った 全国の仲間 そして 東京で頑張る 友や先輩との ふれあいは

 これからの 残された人生を 彩っていく

 仕事をリタイアしたら 晩秋を選んで 友に逢う旅に出ることを 決めている

 真っ先に逢うのは 癌と闘っているSさん 

 もちろん 東京経由で行く

 さも 江戸っ子です なんて顔をして 交差点を 胸張って  渡っていく

 

 ありがとう 花の東京!             

                               (終わり)

 

 

 

      【よく行った友楽町ガード下 はじめて   ホッピーなるものを知った】 

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