【立春の頃の椿のこと】
「 花木を育てていくことは 命を育てることだと思います
芽の出るころ 花の咲くころ 果実の熟れるころ どこを切り取っても
命が輝いています 私たちの人生と重なっているかのよう……
走馬灯のように 回り回っていく 四季の中での花木の物語です 」
「花木の走馬灯」
亡くなった義父は とても椿が好きでした
狭い庭でしたが 鉢が並び多くの種類の椿を育てていました
いただいた肥後椿は 今も元気に春を告げてくれています
その影響もあって 30年ほどまえに 初めて買い求めたのが「玉の浦」です
長崎の五島列島で発見されたことで名づけられたこの椿は
毎年 立春の頃になると真紅の周りに白の覆輪が入る 美しい姿を
披露してくれます
寒さの残るこの時期 蕾が開き始めると メジロたちとともに
やさしく温かいひとときと 義父と義母の想い出を 届けてくれるのです
そして 天を仰いで 多くのことに感謝します
【 やぶ椿から偶然生まれた「玉の浦」】