やす君のひとり言

やす君の情景

大分市竹中 花と緑に囲まれた公園墓地                                                           ~やすらぎ霊園~

回顧録no.9 「ひょうひょうと生きた父のこと 1/4」

 

 

   そばにいても 気がつかないくらい 寡黙な父で  静かにあぐらをかき

 母はもちろん 子供に対しても 怒ることも 手を上げることもなかった

 

 ゆっくりと 音を立てずに歩く 穏やかな雰囲気を持った人だった

 

 先の戦争で招集されたが 戦地に行くことはなく 南九州で終戦を迎えたと聞いた 

 祖父が残した借金は 長男である父が引き継いだ

 二人の弟には一切頼らず 愚痴も泣き言も言わず 黙々と働き続けた

 

 わずかな田畑からの収入は少なく 私が小さい頃は 毎年のように冬から春にかけて

 出稼ぎに行っていた 記憶がある

 

 唯一の楽しみは 安い煙草を燻らし 甲類焼酎を飲むことだったと思う

 

 多くの苦しみを背負っていたのに 人生を 恨むことも 悔いることも 

 そして 嘆くこともせず 

    母と妻と 4人の子供のために 身を粉にして

 

 それでも 笑顔を絶やさず ひょうひょうと 春風のように さわやかに 

 水の流れのように 自然体で ゆっくりと 生きた人だった    (続く)

 

      

 

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