やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

回顧録no.25 「‥‥ カレ-うどんと T君一家こと 3/3」

    「‥‥ カレーうどんと  T君一家のこと  3/3」

 

   

 その後 転勤などで疎遠になったが

 あの雪の年から40数年が経った 秋

 急に T君一家に逢いたくて 車を走らせた

 記憶だけを頼りに 何度も道に迷いながら 辿り着いた先に 見覚えのある風景が 

 あらわれた

 

 だが あれほど美しく 整然としていた 記憶の田畑は 

 人の手が遠のいていることを 見せつけるかのように 荒れ放題で

 我が物顔に生い茂る ススキなどが  音を立てながら 風になびき

 丘の上のお墓たちは 寂しそうに 立ちつくしている 

 

 数軒あった家は 空家になっており T君の家も 雨戸が閉じられ   

 庭一面には 掃く人もない 落ち葉が 重なり合い

 郵便受けには 封がしてあって 玄関に 開け閉めの形跡はなかった

 倉庫には 錆びた 古い耕運機が 無造作に横たわっており   

 耳には 水の流れと 時おり響く 鳥の声 だけが入ってくる

 

 あの時に 見た風景を ひとつひとつ 繋ぎあわせて たどってみても

 過ぎた長さが 邪魔をして 吹く風とともに たいせつな

 もうひとつのふるさとや そこで積み上げたやさしさが 少しづつ消えていく

 40年という歳月が 静かに 目の前に横たわっている    

 

 「T君 そしてみなさん 元気でしょうか‥‥ 

                 どうか 元気でありますように‥‥」 

                                                                                                                     (終) 

 

 

 

 

                  【‥やがて 自然に帰っていく ふるさとよ】

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