やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その49  「‥この冬の 静かな光景 」

  「‥この冬の 静かな光景」

 

  静かな早朝です

  人の創る音は 全く聞こえず 鳥や風も 鳴き止んでいます

  わずかに 響き渡るのは 絶え間なく 天から降り注いでくる 

  雪のささやく 調だけ  

  

  この冬初めての 白い光景が 霊園に広がりました

 

  少しの北風に 踊らされて 粉雪たちが舞う この光景は

  瞬く間に 時代を巻き戻し 小さい頃の 思い出へと いざないます

  それは 辛く 厳しい 物語の方が はるかに多いのですが 

  そこから 重ね続けた歳月が いつの間にか 少しずつ

  辛さを楽しさに 厳しさを優しさに 置き換えられるように なりました

  寒い冬があるからこそ 春が より暖かく感じられるように

  小さい頃の 苦しさや辛さがあったからこそ 今の幸せがあるのではないか と

  そう思うのです

 

  その時々に 苦難があっても あの時に比べれば ずっと 楽

  あれだけの辛さや苦しさを 乗り越えたのだから この程度は 苦労じゃない

  自分に 言い聞かせつつ 生きてきた人たちが きっと 多く おられて

  そうした経験が 深い人ほど 今朝のような光景は 何時にも 増して 

  幸せな心に 染まっていくのではないでしょうか そんな気がします‥

 

  ふと 我に返ると いつの間にか雪は止み それでも 木々や お墓の頭には

  白い贈り物が 名残惜しい かのように 重なって

  遠くに 車や列車の音が流れ やがて 日常の光景に 戻っていきます

  

  生きる人にも 眠る人にも  等しく 過ぎていく 時の中で

  もう少しだけ 少年時代に 想いを 寄せましょうか

  親兄弟の笑顔や 友達とのふれあいや あの頃の風景が

  懐かしく そして淡く 彼方へと 流れていき  やがて ‥‥ 

  今年の 春が来ます

   

 

 

 

        【 彼方の山々を薄くして 降り続く 今朝の雪 】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「今朝ほどは 恋しくなりき 日向ぼこ」

 

 

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