霊園風景 その94 「‥師走の足音」
「‥師走の足音」
今日で11月が終わり 明日から師走 2020年も 残り少なくなりました
平穏な年であったなら 夏の 東京オリンピックの 熱も冷めて
そろそろ 仕事のラストスパート そして 忘年会や年末年始の 話題でしょうか
それなのに 今年の師走は 前例もお手本もない まるで 未踏の地へ行くかのよう
仕事も 社会も 家庭も一変してしまい みんなが 戸惑いながら
先の見えない 不安の中で 年の瀬を 迎えなければなりません
誰もが 「来年こそ いい年であって欲しい」 と 望んでいましたのに
一年を経た 今の光景は どのように 表現すればいいのか
口にすることさえ 戸惑ってしまうほどの 衝撃的な年になりました
それでも 確実に時は刻まれ いくつもの物語が いくつもの場所で 進行し
生き物は 生を受け 死が訪れてきます
やすらぎ霊園の 風景も いつもと同じように 芽が吹き 花が咲き
若葉が茂り 赤黄の模様を重ね 冬の静けさへと つながっていきます
一年の締めくくり 12月の暦もまた いつもと変わらずに 時を重ねていきます
町や村も 山や川も 空や海も そして 人も暮らしも
少しだけ 時代に抗いながらも 落ち着ける場所を求めるかのように
拒否と順応が 混ざり合い この年の終りを告げる響きが 聞こえて来るかのよう
師が走っていく 12月は 本当に駆け足で 年の終わりに近づいていきます
限られた時間の中で やり残したことが 山ほどあって やったことさえ
どれもこれも 寸足らずのように 反省すること 大ですが
それでも 次につなぐことがあるのだと 前向きに受け止めて
せめて 悔いは残さぬように 1年を しっかりと 締めくくりたいと思います
2020年 令和2年 12月の31日間 一度きりの日々
あせらずに あわてずに 惑わされることなく 頭は高く
一歩ずつ しっかり 時を刻み込んでいきましょう
どうか 皆さまが 笑顔で 2021年を迎えることのできますように‥
【11月下旬 眠りについた木々たちの樹木墓 風景】
「枯菊に 礼をいいつつ 鎌入れて」