回顧録 no.37 「‥潔かった M先輩 1/2 」
「‥潔かった M先輩」
迷っていた 当時は 20代半ば
先が見えなかった
頑張らねば という気持ちと
職場や上司への不満が交差し もがき あえいでいたような気がする
若かったといえば 若かった
自己主張が強く 通らなければ あからさまに 口に出した
態度も 口に習った
そんな身勝手さを 誰もいないところで やさしく 諭してくれたのが
M先輩だった
同じ職場にいたM先輩は 40すぎ
小柄ながら とても エネルギッシュで 声も大きく 正義感の強い
ひときわ 存在感があった
仕事ぶりも 極めて正確 かつ短時間に処理する力を持ち 上司の評価も高く
グル-プ内のとりまとめ役として なくてはならない人だった
M先輩に 現職退任に伴って 市議会議員に出ないかと 声がかかった
会社の理解を得て 家族や親せきなど 関係者を説得し 仕事やお金のこと
多くの課題を 乗り越えて 出る決意を 伝えた
だが 間もなくして 現職を出している職場から 別候補擁立の 声が出てきた
中心には現職議員の先輩がいて 彼は M先輩の擁立には 反対だったと聞く
しかし、M先輩擁立は 全ての仲間の合意であったはず
にもかかわらず 反対派は 勝てる候補でなければならない として
これまでの決定が 間違っていたのだ と 暴論を 正論化し
別候補者を推してきた
M先輩擁立派と 別候補擁立派の 主導権争いは 次第に激化していき
同じ建物でありながら 誹謗中傷も飛び交う中 雰囲気は悪化していった
(続く・・・)