やす君のひとり言

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~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その45 「‥この年の 師走の光景」

 

「‥ この年の 師走の光景」

 

  わずかな日を残して 今年の 今日が 瞬く間に過ぎていきます

  人の営みの見える街の世界と 自然しか見えない霊園の世界は 

  時の速さにも 差があるような気がします

 

  都会の雑踏を歩いているとき  

       満員電車の中に身をおくとき

       街の華やかな色彩に眩いとき

  そんな 揺れているような 感覚は 

  心がいつも 急げ急げと 騒ぎ立てられ 

  誰かに 何かに 追われているような気がして だから‥ 

  時が速く過ぎていく と 感じていたのかもしれません

 

  夜の雪に覆われた 芝生のお墓たちや  

  赤椿の鮮やかさに映える 樹木のお墓たち そして 

  見渡せば 遥か彼方まで続いていく 裸の雑木たち  

  

  今 物言わぬ 世界に身を委ねていると 心は とても穏やかで 

  同じ時を刻みながらも あの若い頃の時より 

  ずっと ずっと ゆっくり 過ぎていく気がしています

  

  遥かな昔 人々が誕生した頃の 自然界に 戻ることは できませんが

  それでも 青空の下 模様を変えていく 木々や草花に包まれた霊園の世界は

  自然があふれています そして 聞こえるのは 鳥と風の音だけ

  

  人々が 長い時を経て 作り上げてきた 文明は 

  暮らしを 豊かにしたことは まちがいありません

  豊かになるためには 自然を壊すことに 躊躇しませんでした  

  結果‥

  人工のものがあふれた 社会から 自然への崇敬が失われていきました

 

  人々は 何を指して 「幸せ」と 言うのでしょうか

  花祭の春 炎天の夏 名月の秋 静寂の冬 と

  悠久の時を経て 変わることなく繰り返される 四季折々の表情

  そうした 自然が織りなす世界を 愛でる心 敬う心 が 

  心の中に 生き続けている限り 「幸せ」は すぐそこにあるのだと 思います

 

  間もなく この年が 終わります

  辛かったことや 苦しかったことなど 全てに お別れして

  どうか 来たる年が 記憶に残る 美しい年となりますように

  

  少しずつ 冬模様が 色濃くなってきました

  今年は 雪降る光景が 見られるのでしょうか

  静かに明けた 今朝の 霊園の光景です

   

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain「行く人が 振り返るのは 帰らぬ日」

    

 

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