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~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その67 「‥走り去る 秋色」

「‥走り去る 秋色」

 

 優しい桃色と暖の春  抜けるような青と空の夏 

 一瞬の輝きを放つ赤黄の秋  静寂さと白の冬‥

 

 そうした かつての四季の 美しい風景は 薄らいでいき  

 長くなる暑い日々 大雨や台風 そして 地震など 

 私たちが 生きてきた この地の環境は 少しづつ 変わっています

   

 今年もあと1か月と少しですが 穏やかな日々ばかり では ありませんでした 

 夏前から暑くなり 大雨が襲い 台風が相次ぎ 各地で 多くの被害がありました

 そんなことで 明け暮れているうちに 目の前には 秋が来ていたのです

 「エッ」と あわてて気がついたとたん

 天気予報では 「内陸部では霜にご注意を!」と 呼びかけています

 まだ 秋の色も見つかってもいないのに です

 秋を迎える準備もできずに あわてているのは 私だけでしょうか

 夏服から 冬服に 替える タイミングさえ わからないのですから‥  

 

 霊園に続く 葬斎場前の真っ直ぐな ケヤキの並木道も 葉の色が冴えません

 色づかないままに 散っていき 道路脇に落ちた葉は 茶色にくすんでいます

 花が咲くのと同じように 木々の葉も 赤黄に染まってこその 落葉樹なのですが

 かわいそうでなりません

 

 それでも 霊園入り口や 樹木墓にある 紅葉は いつもと同じように 

 赤や黄色に 染まってくれています  

 ただ 毎年華やいで見える 光景が 今年は まるで 何かに 追われている

 かのように 速く速く と 過ぎていき

 ボヤボヤしていると 見過ごしてしまいそう‥

 

                                 【今年の霊園入口 秋の色】

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 冬が そこで待ちながら それでも 待ちきれずに 急ぎたて始めると

 秋の光は 一瞬で陰り 重い鉛色の季節が 霊園を包み込むようになり

 この年が 終わりに向かっていきます

 

 季節はめぐりますが 記憶に焼き付いている 子供の頃のような

 鮮明な 四季の色が 少しずつ 薄れてしまいそう

 春と夏が同居したり 秋の中に夏が出てきたり 冬なのに桜が咲いたり

 夏は夏らしく 秋は秋らしく と 願うのは 無理なのかも知れません

 それでも やはり 冬は冬らしく 春は春らしく あってほしいと 願うのです

 

 どうぞ 走り去るような 今年だけの秋 

 美しい一瞬を 見逃すことなく お楽しみください 

 

 

 

 

         【今年の華やかさを競う 樹木墓の 紅葉たち】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「柔らかに 墓を飾りて 蔦かずら」

 

 

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