やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

霊園風景 その79  「‥人影の消えた光景」

 

 「‥人影の消えた光景」

 

       卯月から皐月へと つなぐとき 今日も 静かな朝を 迎えました 

   いつもなら 新緑の中で 多くのご家族が訪れ 霊園内の お墓たちを

   色とりどりの供花が 優しく 着飾っている 頃‥‥  なのですが

   今年は 風と光と鳥の声 だけが 眼前に 現れては 消えていく 淋しい光景です

 

  桜は 山桜が咲き 陽光桜が輝き 染井吉野が彩り 八重桜が終わりを告げる

  繰り返されていく 春の饗宴 

  その美しさは 愛でる人がいるからこそ 映えるものなのでしょうが

  今年の桜花は とても虚ろで 色褪せたかのように 寂しく 映ります

  自然の創り出す 美が 壮大であればあるほど 人々の感動も 大きく 深く

  いつまでも 心の中に 宿っていて それが生きる勇気や 励みになることも

  

  日本人の心に宿る桜花は 特別なものがあります

  誰もが 自分だけのために 咲いてくれる 桜花があり

     今頃 訪れるのを 待ってはいないだろうか

  そんな想いを抱いて かの地の桜花に 逢いに行きます 

  見ることのできない 淋しさ   見てもらえないことの 寂しさ

  今年の春は 何か大切なものが すっぽりと 抜け落ちたまま 過ぎていくような

  後ろ髪を引かれながら‥ 

  待つことなく 季節は 田植えの五月に 向かいます 

 

                                             【八重桜の残る 新緑の霊園風景】

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f:id:yasuragi-reien:20170207092834j:plain 「見る人も 無き桜花 墓に舞い」

 

 

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