【立春の頃の椿のこと】
「 花木を育てていくことは 命を育てることだと思います
芽の出るころ 花の咲くころ 果実の熟れるころ どこを切り取っても
命が輝いています 私たちの人生と重なっているかのよう……
走馬灯のように 回り回っていく 四季の中での花木の物語です 」
「花木の走馬灯」
亡くなった義父は とても椿が好きでした
狭い庭でしたが 鉢が並び多くの種類の椿を育てていました
いただいた肥後椿は 今も元気に春を告げてくれています
その影響もあって 30年ほどまえに 初めて買い求めたのが「玉の浦」です
長崎の五島列島で発見されたことで名づけられたこの椿は
毎年 立春の頃になると真紅の周りに白の覆輪が入る 美しい姿を
披露してくれます
寒さの残るこの時期 蕾が開き始めると メジロたちとともに
やさしく温かいひとときと 義父と義母の想い出を 届けてくれるのです
そして 天を仰いで 多くのことに感謝します
【 やぶ椿から偶然生まれた「玉の浦」】
回顧録no.1 【‥温泉町と祖母のこと 1/4】
幼いころの記憶をたどり 心に残る人との出会いや別れなどから
生きてきたことの幸せや苦しさ 辛さ そして今 生きていることへの想い
積み重ねている時間の中で ふと気づかされる 郷愁へのあこがれ
思いつくままに そして かすかな記憶も頼りに 記していきます
あなたの 心に 少しでも残るものがあれば うれしいのですが‥‥
「‥温泉町と祖母のこと 1/4」
立春に近い季節 高い山々に囲まれて佇む故郷は茶褐色模様に沈み
時折り吹く風が 頑固なまでに春の訪れを拒んでいるような日が続き
親や そのまた親たちが植えてきた 杉林だらけの味気ない色彩も
寒々しい空気を運んでいた
家の裏に立っていた古い紅梅は 急ぎ足で春を告げようとばかりに
蕾をふくらませつつあったが わずかばかりの赤色は少しの空曇りでたちまち
色褪せて目立たなくなった
光の射す時間は短く すぐに冷気を含んだ夕暮れが訪れ
薄い板戸と障子で囲まれただけの部屋は寒さを増し
母が布団に入れてくれた湯たんぽも瞬く間に冷めて
幾度となく目覚めては暗さの中で震えていた記憶が 今も残る
そんな凍えるような朝でも 祖母は誰より早く起きて
仏壇の祖父に言葉をかけていた (続く)
「やす君の情景」
「はじめまして! 僕はみなさんから「やす君」と呼ばれています。
やすらぎ霊園の高台に位置する芝生の上でくつろいだり、花木や鳥たちとおしゃべり
したり、訪れる人たちにあいさつしたりの毎日です。
あ!ときどきは居眠りもしています。
まわりの山々の桜が少しづつ色づいて、ようやく春が来るのがとてもうれしいです。
これから、 ここから見える風景や花木の表情、そして思い出話などを伝えていきます。
うまくしゃべれない時もあると思うけど、読んでいただくあなたのやすらぎや幸せに
少しでもつながるよう、いっしょうけんめいお届けしていきます。
おつきあい、よろしくお願いします。」
「霊園だより」
【樹木墓地の風景】
やすらぎ霊園にはいろんなお墓がそろっていますが、
一番高い場所にあるのが「樹木墓地」です。
この区画には椿や豊後梅、花水木、百日紅、そして紅葉が配置され、
そのまわりに故人の眠る墓碑が並んでいます。
春のおとずれを椿と豊後梅が告げてくれ、次に花水木、そして百日紅と続いて、
最後に秋の紅葉が美しい風景をつくってくれるのです。
また、区画は芝生で覆われており、五月になると一面の緑が広がりやさしく包んでくれ
ています。
やすらぎ霊園においでの時は、ぜひ「樹木墓地」まで足を運んでください。
お待ちしています。
【3月の樹木墓風景】