やす君のひとり言

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~大分市竹中やすらぎ霊園~

回顧録 no.98 「‥夢の風景 ~人々への賛歌」

 「~人々への賛歌」

 

    平成の名行司と 称された 第28代 木村庄之助 が 語る

   『素晴らしい横綱は たくさんいます が

    真の横綱 と言えば 双葉山 でしょう

               前人未踏の69連勝を達成しましたが 70連勝は なりませんでした

    その時 友に打った電報には

    「イマダ モッケイ タリエズ(未だ 木鶏 足りえず)」と 

    記されていたそうです

    69連勝して なお 自らを 未熟と 叱咤する 人としての 度量の大きさ

     を 表しているのではないでしょうか

    さらに いい話が ありまして

    双葉山の70連勝を止めた 安藝ノ海が 師匠に報告すると

    出羽ノ海親方は

    「勝って 騒がれる力士より 負けて 騒がれる力士になれ」 と

    諭したそうです

    横綱に勝って 有頂天になりそうな 弟子を 戒め 発奮させる

    この親方も また できた人だと 思います』

 

    木村庄之助は ハワイ出身で 外国人初めての 横綱となった 曙を 

    可愛がり 曙も 木村を 師と仰いだ

    慣れない 環境にあった 曙に 文化や しきたり だけでなく  

    日本人としての 心構えまで 熱心に指導した

    後年 曙の 礼儀正しさや 謙虚な態度は 日本人以上に 日本人らしい

    と 評されたという

    

    その 曙について 木村庄之助は こう語っている

    「曙は 精神力は 日本人より強い と 思います 

     死に物狂いでやっている人には 勝てません

     今の 日本人に欠けているものを 横綱は 持っています

     曙関から グレーの中折れ帽を いただきました

     欲しかった色で サイズも 丁度いい

     とても きめ細やかな 気配りに 驚きました」

 

    双葉山 曙 木村庄之助の 言葉や姿勢から 推察すれば

    相撲という舞台を通じて 見えてくるのは 人としての 資質だろう

    決して 驕ることも 偉ぶることもなく 人を敬うことを 常とする 

    古くから この国に 流れている 伝統や しきたりには

    先人たちが 創り 継いできた 

    そこにこそ 人が人として 生きていくための 原点があるのだと 思う

    

    目まぐるしく 変化していく 人の世にあって

    変わらない 立ち振る舞いを 見せてくれる 相撲が 

    国技として 存在しているのは 

    あの 土俵の上に 日本の文化があり 人の心の 本流があるから

    そう 理解している 国民も 多いのではないか

    年年歳歳 花 相似たり

    歳歳年年 人 相似たり

    そんな 世の中を 恋しく 思うように なっている‥

 

 

    「木鶏」の話

     1回目  ‥  相手を見ると おどおどする

     2回目  ‥  心が定まっていない

     3回目  ‥  相手を見下す

     4回目  ‥  木の鶏のように 何に対しても 微動だにしない

 

 

 

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