やす君のひとり言

やす君の情景

~大分市竹中やすらぎ霊園~

2019-01-01から1年間の記事一覧

回顧録 no.58 「‥夢の風景 ~夏休みの 新吾十番勝負」

「 ~夏休みの 新吾十番勝負 」 小学校の夏休みの夕刻 当時 村に一軒あった 公民館まで 家族そろって 映画を見に行く 何もない 村唯一の娯楽が 忘れた頃に やって来る 巡回の映画会 父親の照らす 懐中電灯と 真夏の月を頼りに 1時間を超える道程 それでも 嬉…

霊園風景 その58  「‥やすこさんの物語  1/3」

「‥やすこさんの物語 1/3」 以前 紹介しましたが 芝生墓地の前で くつろいでいる 本当に やさしい笑顔をしている モニュメントが やす君です 彼の周りには 多くのともだちが います そして 少し離れた場所には 実は やすこさん という やす君の妹が いるので…

回顧録  no.57 「‥夢の風景  ~何も言えなくて 夏 1/3」

「 ~何も言えなくて 夏 1/3 」 その歌を 聞いた瞬間 はるかな昔の 自分に還っている 記憶は 不思議なもの いつもは忙しさや 目の前のことに かまけ その出来事などは 心のどこにも 存在しないのに ふとした時 まるで 昨日のことのように 心の中に 小さく 浮…

霊園風景 その57  「‥花のお墓の お花たち」

「‥花のお墓の お花たち✿」 初夏を迎えて いよいよ元気な 花たち 今回は 霊園内を彩る 夏の花たちのご紹介です 前回 ご紹介しました 花のお墓 に植えている花は 何十種類にも及び 毎年入れ替える 1年草もあれば 数年は植えっぱなしの 多年草もあります 手間…

回顧録 no.56  「‥夢の風景  ~乗れない自転車 2/2 」

「~乗れない自転車 2/2 」 校庭の向かいに 川が流れ その先から なだらかな傾斜で 山が続く 杉や檜の 濃緑に混じって ブナや紅葉が 着飾り始める 校庭の桜葉も 色づきながら やがて 季節が冬に向かう 頃 僕は まだ 自転車に乗れなかった 気弱だったから 友…

霊園風景 その56 「‥亡き人に 花のお墓たち」

「‥亡き人に 花のお墓たち」 3段 × 10区画の 30区画だけ 「花のお墓」があります 好きだった花で 故人を供養したい という ご家族の願いに応えて 3年前から 販売を始めました お子さんやお孫さんに引き継いでいく 「永代」契約と 30年間を使用期間とする …

回顧録 no.55  「‥夢の風景 ~乗れない自転車  1/2 」

「~乗れない自転車 1/2 」 春 小学校の 小さな校庭の隅に 子供用の自転車が 置かれていた 当時 自転車を持っている 友達は少なく 持っている自転車も 大人のお下がりの サドルに座れない 大きなもので だから 乗れる友達も限られていた 真新しい 青色の自転…

霊園風景 その55 「‥柔らかな 若葉たちへ」

「‥柔らかな 若葉たちへ」 桜の謳歌が終わり 季節は五月へ 花木や 草花も 元気に花を咲かせ それぞれに美しさを競います それでも この季節の主役は 新緑だと 思うのです 遥か彼方から 若草や若葉 そして深碧や山葵の新緑が 色模様を織りなして 点々と 柔ら…

回顧録 no.54  「‥夢の風景 ~月夜と おじいさん」

「~月夜と おじいさん」 満月の夜で 明るかった 田んぼには 水が張られ 小さな稲の苗が並んでいたから 5月頃だったろう お風呂に入り 夕食もすんで 子供たちは寝る時 なのに 僕は ひとり あぜ道に立っている 寝間着姿に下駄を履き 片手には 懐中電灯を 持ち…

霊園風景 その54  「‥お墓たちの話」

「‥お墓たちの話」 「来ないねぇー」 「うん‥」 「いつ来たの?」 「‥‥」 「いつ来たの?」 「‥‥」 「いつ来たの!!」 「‥‥ 覚えていない」 「なぜ 来ないのかなぁ」 「子供たちは遠くに行ったし 両親も 年老いたし‥‥ 来たくても来れないんだ と思う」 「そ…

回顧録 no.53   「‥夢の光景 ~竹職人のKさん 」

「‥夢の光景 ~竹職人のKさん」 70才くらいだったろうか 奥さんと 二人暮らしの その人は 母屋の下 道のすぐ上にある 小さな 物置の前で 竹細工を しており 顔つきやしぐさからは とても想像もできない? 細やかで 美しい 製品が 生まれていた いつからと…

さつき日和のお知らせ

∵∴∵∴∵∴∵∴さつき日和∵∴∵∴∵∴∵∴ 令和のはじまり、5月1日から6日まで「さつき日和」を開催いたします。 期間中、ささやかなプレゼントもご準備しておりますので、お墓を検討中の方、園内を見学されたい方、お墓に関する悩みがある方など、 ぜひ、新緑が美しいや…

霊園風景 その53   「 ‥この頃のやす君 」

「‥この頃のやす君」 彼が ここ 「やすらぎ霊園」に来たのは 新しい区画が誕生した時 だったから もうすぐ7年になる 最初の頃は 訪れる人も 少なくて 寂しい思いをしたことだろう 晴れた日や 花木が鮮やかな時は 少しは気分も和らいだと 思うけど 雨や雪が降…

回顧録 no.52  「‥夢の風景  ~お雛様の春に」

「 ‥夢の風景 ~お雛様の春に」 明かりを消して 夜の窓を開け カ-テン越しの 庭に咲く 桃色の寒緋桜を見ながら 「まだ少し 寒いねぇ」なんて 言葉を かけて ぼんぼりの オレンジ色が 雛壇に降り注いでくる 今年も 灯ってくれた この明かり 電球も切れること…

霊園風景 その52  「‥この春の 青空めざす 山桜」

「‥この春の 青空めざす 山桜」 いつもどおりに 訪れてくれる 春 四季の移り変わりの中で いちばん 心ときめく とき 辛いことや 苦しいことは 避けられないけれど そんなことも なぜか 少しだけやわらいで また 頑張ろう と そして 何か いいことがあるかも…

回顧録 no.51  「‥夢の光景 ~赤いコートのMさん  3/3 」

「~赤いコートのMさん 3/3 」 それから 二人は 喋ることもなく 弁当を食べ続けていた 春の雲が 静かに流れ 晴れと曇りが 交互に届いてくる 高原 そこから見える 空は 限りなく広く そして 長い髪の Mさんの横顔は とても美しかった なぜ あの時 僕は そこ…

霊園風景 その51 「‥春の詩  寒緋桜と陽光桜 そして山桜」

「‥春の詩 寒緋桜と陽光桜 そして山桜」 やすらぎ霊園にも 一気に 暖かさが増し 桜たちが 美しさを競う春の到来です まず 濃い赤色の花を 披露してくれるのが 寒緋桜 その花形は どこまでも 慎ましく うつむき加減に 咲き誇ります 台湾や中国を原産とします…

回顧録 no.50 「‥夢の風景  ~赤いコートのMさん 2/3」

「~赤いコートのMさん 2/3」 秋のうちにきれいに刈られた 広い高原は ちょうど 真ん中あたりに 小屋があり 春から秋にかけては 牛舎として使われていたが 春浅いその時期は まだ 空家で 種々雑多の農具が 詰め込まれていた その小屋の入口に 担任の先生が…

2019 「春のお彼岸フェア」開催です

「春のお彼岸フェア」ご案内! ‥‥3月16日(土)から 24日(日)まで‥‥ 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、今年の冬は暖冬といわれて いつもにない穏やかな日が続きました。それでも春は待ち遠しい季節です。 椿や梅の満開が過ぎ、桜の便りが届…

霊園風景 その50 「‥春を呼ぶ  サンシュユの花」

「‥春を呼ぶ サンシュユの花」 芝生墓のすぐ下 斜面の一角に 植えられているのが サンシュユの花木です 寒さが和らぐ 2月下旬頃になりますと 枯れたかのような 枝のあちこちから 少しずつ 鮮やかな 黄色い花々が 映えてきます 育てやすく 放置すれば 6mほど…

回顧録 no.49 「‥夢の風景  ~赤いコ-トのMさん 1/3」

「‥夢の風景 ~赤いコートのMさん 1/3」 小学6年生の春 卒業記念行事として 同級生で 遠足に行った 舗装されていない 狭い道を 一列になって 歩いて行くのだが 唸るような音を立てて 時折り通る トラックは 砂利を蹴散らし 埃を巻き上げる その度に 僕たち…

霊園風景 その49  「‥この冬の 静かな光景 」

「‥この冬の 静かな光景」 静かな早朝です 人の創る音は 全く聞こえず 鳥や風も 鳴き止んでいます わずかに 響き渡るのは 絶え間なく 天から降り注いでくる 雪のささやく 調だけ この冬初めての 白い光景が 霊園に広がりました 少しの北風に 踊らされて 粉雪…

回顧録 no.48  「‥夢の風景  ~理髪店のタカさん 2/2」

「‥夢の風景 ~理髪店のタカさん 2/2」 当時 村は林業が盛んで 毎日のように 木材を満載した トラックが走っており 狭い砂利道路には 危険がいっぱいだった 何かあったのかもしれない と いなくなった 僕を探して 先生は 不安を抱えながら 戻ってきたのだ そ…

霊園風景 その48  「‥新雪の朝」

「‥新雪の朝」 この冬 はじめての雪が 舞い降りました 暖かい日が続いていましたから もしかしたら 今年の雪は ないかな と 思っていましたら 忘れずに 届けてくれました 小さい頃 冬といえば 雪 でしたし 膝丈ほどある 雪道を歩いたり 遊ぶことは 当たり前…

2月限定特別販売のお知らせ

*2月限定特別販売のお知らせ* 椿が咲いて、豊後梅が華やかに彩り、やがて山桜が青空に舞う季節・・・ やすらぎ霊園では、「春のお彼岸」に向けて「展示墓」を特別販売しております。 ◆芝生のお墓◆ まるで緑の絨毯のように美しい芝生に整然と並ぶ芝生墓を…

回顧録 no.47 「‥夢の風景  ~理髪店のタカさん 1/2」 

「‥夢の風景 ~理髪店のタカさん 1/2」 小学校3年生の頃だったと 思う 子供の足で1時間ほどかかる 高原まで 遠足か スケッチ大会か 秋晴れの日に クラス全員で出かけた と言っても それが同級生全員だったが 途中 村に1軒だけの 理髪店の前を通る カラカ…

霊園風景 その47  「‥みんなにやさしい 霊園へ」

「‥ みんなにやさしい 霊園へ」 2,000区画余りを有する やすらぎ霊園は その多くの区画が バリアフリーですが 新しく造った 一部の「自由墓」区域は 階段仕様になっており お客さまからも 「将来のお参りが大変」という言葉を いただいておりました 皆さまが…

回顧録 no.46 「‥夢の風景  深山の寒つつじ 4/4 」

「‥夢の風景 ~深山の寒つつじ 4/4 」 岩の割れ目には 氷柱が下がり ひときわ寒さを感じさせたが まだ見ぬ世界に あこがれる思いの 強さと 後と前の かすかな光が 足運びを手助けしてくれる そして その先には 柔らかな明るさと 匂いのする空洞が続く それは…

霊園風景 その46  「‥春を呼ぶ 柔らかき コブシ」

「‥春を呼ぶ 柔らかき コブシ」 霊園の 樹木墓の入口に 誇らしげに 真っ直ぐに立つ 花木があります 冬が疲れて 春に交代する ちょうどその頃を待っていたかのように 咲いてくれる コブシの木です モクレン科に属するコブシは 成長が早く病害虫にも強いことか…

回顧録 no.45 「‥夢の風景 ~深山の寒つつじ 3/4」

「‥夢の風景 ~深山の寒つつじ 3/4」 わずかに水が流れる 小さな川には 寒さに震えた 氷が張り Hさんは 氷を割りながら 上流へと 進んでいく 雪と氷で 埋もれた川は まるで横たわる龍のように 冷たい表情を 見せ ピッケルを道案内に よろめきながらも 彼は …