やす君のひとり言

やす君の情景

大分市竹中 花と緑に囲まれた公園墓地                                                           ~やすらぎ霊園~

空のかなたの回顧録

「ひょうひょうと生きた父のこと 1/4」

そばにいても 気がつかないくらい 寡黙な父で 静かにあぐらをかき 母はもちろん 子供に対しても 怒ることも 手を上げることもなかった ゆっくりと 音を立てずに歩く 穏やかな雰囲気を持った人だった 先の戦争で招集されたが 戦地に行くことはなく 南九州で終…

「温泉町のA君のこと   4/4」

↓ 前回までのお話はこちら yasuragi-reien.hatenablog.jp あの温泉町が遠のいてから 10年以上が過ぎ 社会人となって間もない頃 ふとした便りで A君が近くの温泉町で働いていると聞いた 両親も元気で一緒に暮らしているという なつかしさに押されて電話を入…

「温泉町のA君のこと  3/4」

前回までのお話はこちら↓ yasuragi-reien.hatenablog.jp 祖母と温泉町に行った時は 必ずA君の家に遊びに行き いつもと同じように夏休み や冬休みを過ごし ずっと変わらない日々が続くと思っていた しかし それから間もなくして 夏休みの間にA君はいなくな…

「温泉町のA君のこと  2/4 」

前回までのお話はこちら↓ yasuragi-reien.hatenablog.jp その温泉町は町の中央を川が流れ 両側には高い山が迫るわずかな平地に 多くの旅 館が軒を並べていた A君の住む家は 高台に立つ狭い平屋の住居で 庭のすぐ向こうには崖がせまってい たし その崖は大雨…

「温泉町のA君のこと 1/4」

祖母と行く温泉町での楽しみのひとつは 2人の従兄弟との遊びだった 特に一つ下の従兄弟とは年が近いこともあり 一日中一緒に遊んでいた記憶がある 大雨が降った後の川岸脇のくぼ地には いろんな川魚が取り残されていて そこに子供たちが入って 我先にと手あ…

【温泉町と祖母のこと 4/4】

前回までの記事はこちら↓ yasuragi-reien.hatenablog.jp 娘の住む温泉町ですごす時の 祖母の表情は明るく 滞在中は時を惜しむかのように 親しんだ銭湯に足を運んでいた 家から歩いて10分ほどの田んぼの中に そこだけ 眩い灯りがたなびいて 誰でも 自由に利用…

【温泉町と祖母のこと 3/4】

前回までの記事はこちら↓ yasuragi-reien.hatenablog.jp 豊かさから貧しさへ 生活を変えてきた祖母の唯一の楽しみが 娘が嫁いでいる 温泉町へ行くことだった わずかばかりの田畑つくりの合間 特に体を休められる冬の時期は いつも かわい がってくれた私をお…

【 温泉町と祖母のこと 2/4 】

前回の記事はこちら↓ yasuragi-reien.hatenablog.jp 「一代で家を潰した」と祖母が恨みのように言っていた祖父は 自分が生まれたときは すでに故人であり 父や母もあまり祖父について語ることはなかった 「潰した」ことを口に出したところで それが慰めにも …

【温泉町と祖母のこと 1/4】

「 幼いころの記憶をたどり 心に残る人との出会いや別れなどから 生きてきたことの幸せや苦しさ 辛さ そして今 生きていることへの想い 積み重ねている時間の中で ふと気づかされる 郷愁へのあこがれ …… あなたの 心のふるさとは どこにありますか 」 立春に…